「恋におちたら」 考えてしまいました。

 昨日も夜、家でソフトウェアを作っていましたが、煮詰まってしまってTVを見てしまいました。
 フジテレビドラマの「恋におちたら」は同じ業界のドラマなので時々見ています。昨日のストーリーはがんで余命いくばくもない商事会社社長から託されて主人公が勤める会社フロンティアの社長がその商事会社を買収します。しかし商事会社社長が死んですぐに買った会社を売却して莫大な利益を上げます。

 シナリオライターの意図は資本主義のルールと人としての感情のコンフリクトを表現したかったのでしょう。フロンティアの社長も商事会社社長には恩があったからリスクを犯して買収したのかもしれません。しかしビジネスマンらしく儲けることは忘れないといったところなのでしょう。
 しかし人生は人に行ったことは自分にも返ってくるものです。自分がそれをやられたらどう感じるかを考えるべきでしょうね。それも死ぬ間際は人間の本性が出てくるのではないでしょうか。

 結果的にはドラマではフロンティアは大儲けしていますが、これは商事会社社員の犠牲の上に成り立った利益です。そういったM&Aを繰り返しているとマーケットからハゲタカとして見られてしまってイメージダウンでしょう。
 私がフロンティア社長の立場なら買収はしません。そのかわり会社を再建するためのサポートは行いたいと思います。社外取締役として就任して会社再建の手助けをするでしょう。

 まずはSonyのように社長交代を要求します。そして能力のある人材を探して社長に就任してもらいます。次に赤字を垂れ流している原因を探し出し経費削減を推し進めます。ここで重要なのは安易な首切りはしてはいけないということです。どんな会社でも利益を生み出すリソースは必ずあります。
 会社の再建は人の体を治すのに似ています。人間の体は抗がん剤でがんをたたくと免疫力まで壊れてしまいます。それではまたがんにかかってしまう恐れがあります。したがってまずは対処療法でがんをたたいてから免疫力を復活させる治療が必要になります。
 既存のものを壊さないようにして悪い部分は取り除かなければいけないからがん治療も会社再建も難しいのでしょうね。
 対処療法が効いてきたら次は攻めの経営に転換します。つまりその企業が強い部分に集中してビジネスを展開します。その場合将来性やマーケットの状況を見て判断する必要があります。
 元アスキーの西さんは将来性のない出版事業に集中してしまったから失敗したと言っていました。その理由でアスキーがおかしくなったかはわかりませんが、ビジネスの選択は原因のひとつであったことは間違いないと思います。
 
 日産はカルロスゴーンを社長にして復活しました。確かに彼の功績は大きいですが、もともと日産がいい車を作る力を持っていたから復活したのだと思います。ゴーンはそれを引き出しただけでしょう。赤字垂れ流しを止めて会社のよさを引き出す。いくらスーパーマンのような社長が来てももともとだめ会社だったら再建はできないですからね。

 でも会社ってだめでも結構長続きしますよね。