前回の記事「創造力」の方法を応用してみましょう。
復習すると新しい発想は以下の手順で行うことができます。
知識、経験の獲得 -> 問題点の観察 -> 既存技術、知識の組み合わせ -> 解決策の考察
知識、経験の獲得は日々行っているとして問題点を探してみましょう。
・ 問題点の観察
まずは現在ITシステムで問題になっている個人情報漏洩について考えてみましょう。
個人情報を扱うプロセスを細かく分解してみます。
1 個人情報収集に関すること
2 個人情報へのアクセスに関すること
3 個人情報の保管方法に関すること
4 個人情報の使用に関すること
5 個人情報の消去に関すること
このように分けて考えると個人情報にはライフサイクルがあることがわかります。個人情報は収集されて保管されて使用されて消去されるというプロセスがあるということです。
・ 既存技術、知識の組み合わせ -> 解決策の考察
ではこのプロセスを管理するためにはどのような技術を組み合わせればできるでしょうか?
まず収集された個人情報が誰によっていつどのような方法でなんの目的で収集されたかという記録をとる必要があります。誰が集めたかを記録するためには電子署名とデータベースを使うことによって実現することができます。
また保管される個人情報は決められた人以外は読めないようにする必要があります。これは暗号化技術が必要です。
また個人情報がどのように利用されたかの記録を残す必要があります。これは履歴データベースと電子証明書によって実現することができるでしょう。
このように考えていくと個人情報を管理するシステムが構築できます。GPSなどを使って、ある場所にいないと情報にアクセスできなくするようなシステムも考えられるかもしれません。
このように問題を抽出することによって様々な知識を組み合わせて新しいものを考えだせるようになります。
新しい発想は全くゼロからは生み出すことはできません。「必要は発明の母」といいますが、ニーズがあるから新しい発想が出てくるのだと思います。