「ハッカーと画家」の作者の面白いエッセイ

ポール・グレアム「就職なんてもう古い」はなかなか面白い記事でアメリカと日本の起業環境の違いがよく理解できるものです。

この中で印象的だった点は
・若いということはリスクを取れるということ。どんどん起業して失敗すべき。
・起業コストが劇的に下がってきている。投資家やVCの影響力はこれから弱くなっていく。
・これからのベンチャーは経営者に必ずしもMBAホルダーを迎えなくてもいい。
・顧客が求めるものを提供すべき

といったところでしょうか。

 アメリカの特にシリコンバレーではこういう環境ができているのかもしれませんが、日本では大学卒業したら就職するのが当たり前とみんなが思っているので難しいでしょうね。
 また若いときに顧客のことを考えられる人なんてどれだけいるでしょうか。(年をとっても考えていない人がほとんどなのに。)特に技術系の人は内へこもる傾向にあるので顧客のことが見えてない人が多いですね。
 経営者となるとお金の管理や人の管理が必要になります。まちがいなくサラリーマンをやるより大変な仕事です。その苦労を買ってでもしようと思う人は単なる金儲けだけではやらないでしょう。

 日本の現状を考えると否定的なことばかりになってしまいますが、私も将来的には就職というものが時代遅れになると思います。なぜならばビジネスを行うコストがどんどん下がりマーケットが常に変化するような状況では従来の企業組織では対応できないと思うからです。
 特にIT技術を基本とするビジネスでは初期投資がほとんどかからなくなりました。ハードウェアは劇的にさがり、ソフトウェアはオープンソースを使えば無料です。(
本代くらいはかかると思いますが。)通信回線も光ファイバーが月数万円で使うことができます。また検索連動型エンジンなどのネットを使った営業も可能となったためマーケティングコストも下がってきています。

 大事なのはその中で何をやるかでしょう。既存の組織は上から言われたことを忠実に実行するのには向いていたのでしょうが、自分で考えて行動する状況ではもはや機能しなくなってきているのだと思います。

 ただ日本ではそう考える人はまだ少数ですね。若い人と話しても保守的な人が多いように感じます。起業家精神という点で日本が現在のアメリカの水準に到達するのはまだまだ先なんでしょうね。