ユーザーがイノベーションを起こす

おはようございます。
今日は寒い風が強くて肌寒い朝でした。
花粉症の季節なのでこんなに風が強いと大変でしょうね。
私は花粉症になったことがないのでそのつらさがわからないんですが、
いつか突然なるかもしれないのでちょっとブルーになりますね。

CNet Japanの技術革新は消費者からという記事はこれから企業は何をするべきかを示唆するものだと思います。

今までは発明や技術開発は企業が行うものとされていました。
大手企業の多くは莫大な資金をかけて研究所を建設しました。
そこから生まれたイノベーションの多くは現在ではなくてはならないものになっています。

しかしいまやイノベーションを起こす主体がユーザーに移りつつあります。
私はIT業界で働いていてベンダーが押し付けるソリューションにいつも疑問を感じていました。
ベンダーは自分の売りたいものを顧客に売りますが、ユーザーの求めるものとミスマッチを起こしている場面を数多く見ました。
その原因はベンダーがユーザーの問題を理解していないことが多いからでした。
業務に関してはユーザーのほうがよくわかっているため問題を理解しているのもユーザーの方だと思います。(理解していないユーザーも多くいますが。)
技術は問題を解決するために発展してきました。
その問題を理解することなしにイノベーションは起こらないのだと思います。

 また昔と比べて情報も取得しやすくなり、ハードウェアも安くなりました。
これらのイノベーションを起こすための材料が手に入りやすくなった環境ではイノベーションの主体がユーザーに移るのは自然の流れでしょう。
 後はユーザーが意識を変える必要がありますね。
専門家にしかできないという思い込みを捨て、自分たちのほうがよりよい解決策を考え出せるという考え方に変える必要があるでしょう。

 企業もユーザーに自分たちが考え出したイノベーションを押し付けるのではなく、ユーザーがイノベーションを起こせるような環境を提供するビジネスへとシフトしていくべきだと思います。
イノベーションを売りにしている企業に限って独りよがりなビジネスをやっていることが多いと思います。
こんなすごい技術を持ってるとか革新的なビジネスをやっているという企業がありますが、顧客を無視していては技術があっても意味がありません。
これからのビジネスでは顧客が主役であって企業はその主役をサポートすることがミッションであると認識すべきではないでしょうか。

Netscapeの創業者であるマークアンドリーセンはNingというサービスでユーザーのイノベーションのための環境を作りました。
NingではWebアプリケーションの雛形を用意してユーザーにカスタマイズさせます。
プログラムはソースが公開されているのでユーザーが修正することも可能です。
そしてユーザーがサービスプロバイダーとしてビジネスできる環境を提供しています。
おそらく全てのユーザーが自分では作らないでしょうが、サービス提供者以外のメンバーが製品開発などを行えることはとても重要なことだと思います。

日本のIT業界で考えた場合、残念ながらこのようなユーザーへのシフトが起こりにくい環境にあります。
企業のトップのITに対する理解が浅いためIT部門の評価も低いのが現状です。
そのなかで果たしてユーザー側でイノベーションが起こるのか疑問です。
大企業主導の年功序列が一般的な日本の企業はもともとイノベーションは起こりにくい環境にあるのでしょう。
アメリカは新しい世代がトップマネージメントを行える環境なのでイノベーションが早く起こるのでしょうね。
ただ日本でのイノベーションのユーザーへのシフトは遅いでしょうが確実に進んでいくと思います。
これから企業もそのことを理解してビジネスを考える必要がありますね。

民主化するイノベーションの時代民主化するイノベーションの時代
エリック・フォン・ヒッペル サイコム・インターナショナル

ファーストプレス 2005-12-09
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