ユーザーがイノベーションを起こす(再考)

だんだん花粉症がひどくなっている人がまわりに増えてきました。
予報では今年の花粉は少ないとのことでしたが、そんな感じがしませんけどね〓。

 TommyさんのBlogで私のユーザーがイノベーションを起こすという記事に対してコメントをいただきました。

 「やはりイノベーションはユーザーからは生まれないのではないか」という意見にも一理あるなと思いました。
確かにユーザーは自分のまわりしか見えていない場合が多いし、解決する知識や手段を持っていないことが多いと思います。
実際にお客さんを相手にしていても問題さえ理解していないことも多く、ましてや解決策などユーザーから出てきたことはありませんでした。

 IT関連のイノベーションとしてはトランジスターやIC,インターネットがありますが、これらは全て研究所や企業から生まれました。
今までの歴史を考えた場合やはり供給者がイノベーションを生み出すと言わざるを得ないのかもしれません。
 
 しかし私が感じるところでは1980年代あたりからユーザーがイノベーションをドライブしているような気がしてしようがありません。
パーソナルコンピューターはメインフレームが使いづらいというアンチテーゼから発明されました。
もちろん半導体技術のイノベーションがあったから可能だったのですが、IBMや研究所からは出てこなかったのではないでしょうか。
(Xerox PARCは研究所でしたが、あそこは別格ですね。)

Googleの検索エンジンも既存の検索エンジンが使いづらいというユーザーの目線があったから開発されたのだと思います。

もちろんこういったイノベーションを起こすのは純粋な受身のユーザーではないと思います。
ユーザーの目線を持ちつつ実現する技術にアクセスできる人である必要があるのでしょうね。

Napsterを開発したショーンファニング氏は最初全くプログラミングができなかったらしく、短期間にプログラミングを覚えて開発したそうです。

ユーザーがイノベーションを起こせるようになったのも情報に効率的にアクセスするコストと実現するためのコストが劇的に下がったのが原因なのかなと思います。

 継続的な研究の結果、偶然イノベーションを起こすこともありますが、私は基本的にはイノベーションは問題発見から発生すると考えています。
単なる化学の研究で青色ダイオードはできないでしょうからね。
青を光らせるとこういう問題が解決されると思うからがんばって研究するのだと思います。

 で、結論としてはユーザー的な視点で問題を特定し、アイデアと実現技術によって具体化していくことがイノベーションを起こす必要条件ではないかと思います。

なんか月並みな結論になってしまいました。