「火を噴く」を制する

 今日もあいにくの曇りですね。
昨日はあまり降らなかったんですが、今日は降るんでしょうか?
かさを持ってこなかったな〓。

 年齢のせいもあって最近プロジェクトマネージャーの仕事を振られるようになってきました。
自分自身あまりその手の仕事には向いていないと思うんですが、作業員のエンジニアとしては単価が高いからその当たりのスキルも必要ですね。

 私は今までいわゆる「火を噴く」プロジェクトを数多くやりました。
その中の経験で火を噴きそうなプロジェクトをにおいでわかるようになりました。(笑)
キックオフできなくさいにおいがしてくるんですよね。
そういったプロジェクトの特徴としてはこんなものがあります。

1 仕様が不明確
 ソフトウェア開発の場合、最初の段階では仕様があいまいなんですが作っていくうちに仕様が出てくることがあります。
こんな場合は仕様変更の嵐で現場は大変なことになります。
システム構築でも同じようなことがありますね。

2 初物である
 新製品ややったことのない製品を使うのはリスクを伴います。
使い慣れていないのでクリティカルなポイントがわからないのもありますが、バグや仕様の制限で期待した機能が得られないこともよくあります。
他の業界の人は信じられないかもしれないでしょうが、IT製品が欠陥だらけです。
特に新製品は使い物にならないと考えたほうがいいでしょう。

3 進捗管理をしていない
 スケジュールの遅れは突然起こるのではありません。
日々進捗を管理していないとスケジュール遅れは突然発生したように見えます。
プロジェクトメンバーの進捗を常に把握し火を噴きそうな兆候を見つけたらすぐに手を打つ必要があります。
協力会社などに仕事を出す場合はそのあたり難しいのが現状ですね。

4 コミュニケーションがない
 顧客とのコミュニケーションがよくないために仕様漏れや調整ミスが発生することがあります。
また最近のシステムは色んなものが連携しているので各専門の人たちとのコミュニケーションも必須ですね。

 この他会社の間の政治や部署間の仲が悪いなど人間的な部分も結構大きかったりします。
私はプロジェクトマネージメントの達人ではありませんが、自分なりに次のことに気をつけて行うようにしています。

1 タスクを分解、見積もる
 プロジェクト管理の基本は線表です。
やるべきタスクをリストアップし工数を見積もって各担当に割り振ります。
通常はタスクを積み上げるボトムアップで線表を作りますが、カットオーバーが決まっている場合はお尻から線を引くことになります。

2 ボトルネックを探す
 ボトルネックを見つけることでそれにあわせた調整ができるようになります。
例えば高度な熟練が必要なタスクは出来る人が限られます。
そのような人材を用意できれば高速化は可能ですが、通常難しい場合が多いのでボトルネックにあわせたできるだけ速いスケジュールを組むことになります。

3 不明確部分の分離と工数見積り
 プロジェクトでは必ず不明確な部分が出てきます。
新しい技術ややったことのないタスクなどは分離して個別に推測するしかありません。
大量のデータ転送やバックアップなどやってみなければわからないタスクは事前に検証することによって時間を見積もります。

 プロジェクトでは一人の人が掛け持ちで仕事をしていることがあります。
人材は限られた資源なので増やすことが難しいですね。 
これも人がボトルネックになる事例です。
またスケジュールに余裕があるとぎりぎりまでやらない学生症候群という現象もよく見られます。
人間の心理に左右されるのもプロジェクト管理の難しいところです。

 プロジェクト管理は勉強するというよりも体で覚えるジャンルのものだと思います。
ひとつとして同じプロジェクトはないですからね。
その中で何か法則性が見つけられれば将来のプロジェクトに役に立つかもしれませんね。

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