ライブドア監査人の告白
本屋で「ライブドア監査人の告白」という本が平積みされていて、また便乗商売かと思って無視していたのですが、いつも購読させていただいているちょーちょーちょーいい感じブログでオススメだったので読んでみました。
結論はとてもいい内容でこれから公認会計士を目指す人だけでなく起業家も読むべきだと思います。
著者はライブドアの監査を行なっていた港陽監査法人のパートナーで事件発覚前の1年前からライブドアを担当していました。
ライブドアがどのようにして決算を粉飾していたのかや監査法人とライブドアとの関係が詳しく書かれています。
私の感想では恐らくこの本に書かれていることが最も真実に近い印象を受けました。
マスコミの報道がおそらく歪曲されているのだろうなという感じがします。
これを読んで思ったこととしては、
1 公認会計士はリスクの多い仕事である
このような状況になることはそうあることではないのでしょうが、粉飾決算に巻き込まれると刑務所に入れられたり株主から訴えられたりします。
このような状況をわかったら誰も会計士になりたがらなくなるのではないかと思ってしまいました。
2 社長は自分が知らなくても全責任を負う
ホリエモンはおそらく経理操作の詳しいところは分かっていなかったのでしょう。
しかし、利益を増やす為に宮内さんにプレッシャーをかけて宮内さんはなんとかそれに答えようとしたのではないかと思います。
ただいまだにホリエモンは知らなかったと言って責任のがれをしようとしている態度はいさぎよくはないと思います。
社長というのはそういうリスクを抱える仕事なんだというのを実例として見せられて責任の重さを感じました。
3 中味のないビジネスはいつか破綻する
企業買収と株価操作で利益を作り出し規模を大きくしていく方法はいつか破綻します。
ライブドアのIT部門の利益はかなり少なかったらしくほとんどファイナンス部門で黒字にしていたようです。
実業で有効なビジネスモデルを打ち出せなかったので安易に金融に走ってしまったのでしょうね。
本当のビジネスとは社会に貢献できる営みだと思います。
もちろん利益がでないと企業として成り立ちませんが、自分だけ儲かればいいと考えている企業はいづれは淘汰されていくと思います。
本当に社会に必要とされることを行なってそれによって自分も充実した人生が送れるような企業が理想です。
その方向で努力していれば利益は後からついてくると思います。
改めてそんなことを考えさせられた良書でした。
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