ブルーオーシャン戦略 - 競争しないビジネスの仕方

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造するブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子

ランダムハウス講談社 2005-06-21
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私は常に心がけていることがあります。
それは人と自分を比べないようにしようということです。
学校や会社では常に人と比べられることが多いと思います。
それは仕方のないことなのでしょうが、その結果に一喜一憂しても疲れるだけです。
人は自分とは違うんだと思って自分なりに努力していればそれでいいんだと思います。

ブルーオーシャン戦略はそれの企業版といった感じがしました。
競合他社がひしめくマーケットで消耗戦を行うのではなくビジネスを定義しなおして独自のやり方でアプローチすることはこれからいよいよ必要になっていくでしょうね。

私はここに書かれていることは常々考えていました。
大手と同じことをやっていては小さい会社は生き残れません。
大企業は資本力も人材も豊富ですからね。
従って差別化をはかって行く必要があります。

この本ではブルーオーシャンと呼ばれる競争のないフィールドでどのようにビジネスを行うかを深く考察しています。
その中で一番重要だと感じたのは既存の企業が取りこぼしている顧客を拾い上げることです。
その例としてQBという散髪屋さんが出ていました。
この散髪屋さんはカットを数十分くらいでやってくれて料金も安いので最近結構見ますね。
散髪に時間をとられたくない顧客がたくさんいたのにいままでどの散髪屋さんも同じようなサービスしかしてこなかったんですね。


これを読んでいて私の業界でも取りこぼされているユーザーがいることに気がつきました。
それは小規模企業のシステムです。
ソフトウェア開発は顧客インタビューから設計、実装、テスト、運用といった過程で行われますが、SEやPMなどが複数人はりつくためある程度の規模以上にならないと利益があげにくいビジネスです。
しかし不動産屋や弁護士などの士業、塾などは小規模なところが多くてシステムを入れる費用が出せません。
パッケージを導入するというオプションもありますが、私の知っている不動産屋さんは不動産物件を管理するシステムを買おうとしていましたが、物件売買と賃貸では別々のパッケージになっていて価格も数百万もするそうです。
売買物件と賃貸物件を一緒に管理するためにはこのパッケージをカスタマイズする必要がありさらに費用がかかってしまうため果たしてそこまで投資する価値があるのかどうかも判断ができません。


そこでこういった小規模な事業所でも気軽に入れられるシステムがあれば買うところは多いのではないでしょうか。
具体的にどうするかというとよく使いそうなソフトウェアパーツを用意しておきユーザー自身にシステムを作ってもらうというITのDIYって感じのものです。
例えばウェブフォームとユーザーDBを一体化したパーツを用意しておき顧客管理に使えるようにします。
これと不動産物件管理パーツとか裁判管理パーツなども用意して組み合わせることによって柔軟にユーザーがシステムを作れるようにするといいのではないでしょうか。
そしてウェブ上でユーザーがプラモデルのように組み合わせてアプリケーションを作っていきます。
これは先ほど言いましたソフトウェア開発工程の設計と実装の一部とアプリの運用は顧客のやってもらってこちらはパーツの実装とパーツのテストそしてサーバー運用を行う形になります。
そうすれば小規模企業でも導入しやすい価格提供ができるのではないでしょうか。
これはning.comと発想は同じなんですけどね。
できれば一切コードを書かなくてもある程度のシステムはできるようになることが理想ですね。

またぼんやりしたアイデアなので色々技術的な問題はあると思いますが、なんかビジネスになりそうな感じがするんですがいかがでしょうか?
少なくともこれで不動産の物件管理ができれば知り合いの不動産屋さんは買ってくれるかもしれません。(どうかな?)
本当は小規模企業ほどITシステムは必要です。
人がいませんから機械で自動化しなければいけないニーズはとても多いと思います。
もうちょっと深く考察する必要がありますね。