コンサルタントの秘密

最近、年なのか自分がちょっと説教くさくなってきてるかなと思うのですが、まわりの人のやっていることを見ていてそんなことしたらこういうリスクがありますよと言ってしまいます。
でも素直に聞く人はめったにいません。
自分のやっていることを否定されたと思うのでしょうね。
なので、本人が助言を求めていないときは言わないようにしています。


「コンサルタントの秘密」という本に書いていたのですが、コンサルタントは顧客から求められないアドバイスはしてはいけないそうです。
ということは顧客が問題を認識していないとコンサルタントというのは役に立たないということですね。
こう考えると仕事として人へのアドバイスする仕事も大変だなと思います。
特に経営コンサルタントなどは社長さんなどの経営をやっている人たちにアドバイスするのですから大変そうです。
経営者は自分が会社をまわしているという自負があるでしょうから、自分と違う考え方のアドバイスは聞かないでしょうしね。


結局、人って痛い目に遭わないとわからないということでしょうね。
経営者で経理や会計を全く見ないで税理士に丸投げしている人がいますが、キャッシュがショートしてはじめてお金の管理の重要さがわかるのでしょう。
またワンマン経営をやっている社長も有能な社員がやめてしまって会社が傾きだしてはじめて自分のやり方のまずさに気づくのでしょうね。
(それでも気づかないかもしれませんが。)


人間年をとってくるとプライドのせいで人のアドバイスを素直に聞けなくなってしまいます。
しかし忠告してくれる人はよかれと思って言ってくれます。
少なくともその気持ちは尊重して話を聞く姿勢をもつことは重要だと思います。
そうしないと言っても無駄だと思ってもう何も忠告してくれなくなるでしょう。


アドバイスを受け入れるポイントは想像力と感情コントロールではないでしょうか。
問題とは理想とする状態と現実とのギャップを認識することです。
なので理想の状態をイメージできなければ問題も認識できません。
また、アドバイスとはあなたのやり方ではだめですよという意味が含まれている事が多いので、批判されたという感情に流されないようにしなければいけません。


今NHKでやっている「風林火山」で山本勘助が今川義元に桶狭間へは行ってはいけないというアドバイスをするのですが、今川義元はそのアドバイスを聞かずに桶狭間で死んでしまいます。
これは山本勘助の策略だったのですが、今川義元は感情に流されてまんまとはめられたのでした。
(勘助は自分が今川義元に嫌われているというのをわかっていました。)
もし今川義元が冷静に判断していたら、まずは桶狭間の近辺を調査したり織田信長の動向を調べたりしたでしょう。


有用なアドバイスかどうか判断するのは難しいと思います。
しかし、論理的に考えるようにすればある程度は判定できるのではないでしょうか。
最近、まわりに感情的にしか判断できない人が多いのでもうちょっと冷静になってほしいなと思いますね。


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