一見筋の通った意見

ITシステムの仕事をしているとまったく管理されていない混沌とした状態のシステムを見ることが結構あります。
前の担当者や業者にいいようにされてユーザーは不便で不安定なシステムで仕事をせざるを得ないという状況に追いやられている状況をたくさん見ました。
ユーザーの無知につけこんで担当者は自分の地位を守るために能力のあるエンジニアを排除したり、業者は自分たちの売りたいものを売るために顧客をだまして売りつけます。
そしてその当事者たちが去った後に混沌としたシステムだけが残されます。


昔にそのような状態にあった会社で仕事をしたことがありました。
そのシステムを構築した担当者はもう退職してその建て直しに自分たちた呼ばれました。
そのとき、あまりにもひどい状況を打ち合わせなどで話すとえらい方から「もう過去のことだから言うな。」と言われました。
もう済んだことだからもっと前向きなことを考えようということなのかと思ってそのときは納得したのですが後で何か違和感がありました
その後思ったのは、やはり過去の失敗を直視して未来に生かすことも重要ではないか、そしてそのような文化がないからここは改善がされないのかなと思いました。


また別の話で、吉野家の社長がTVインタビューを受けているのを聞いて最初は納得したのですが後で んっ?と思ってしまったことがありました。
アルバイトから社員になるにはどういう人がなれますかという質問に対して「好きな仕事と向いている仕事は違う。好きでなくても全力で自分の仕事をする人です。」という答えでした。
最初は好きと向いてるのは確かに違うなと思ったのですが、好きでもないことに全力で仕事をできる人なんてどれくらいいるんだろうと思ってしまいました。
それって結局会社にとって都合のいい人間がほしいといっているだけではないかと思いました。


確かに会社としては言われたことを全力でやる社員は便利でしょう。特に吉野家のような仕事ではそうなのかもしれません。
しかし、働いている個人で考えたら好きな仕事を全力でやったほうが幸せにきまっています。
向き不向きはあるとは思いますが、好きなことを全力でやればだれでもそこそこのところまでは行きます。
自分をだましてがんばるより向いてなくても好きなことを一生懸命やるほうが自分は幸せだと思いますね。


今、有名な経営者の方たちは貧しい時代に現場で働いていた人が多かったから職業の選択ができなかったのでしょう。
だから自分の体験からそういうことをいうのでしょうが、今の時代は職業はいくらでも選べますし、転職もできます。
今の経営者はなんか時代とずれたことを言う人が多いなと思います。
えらい人がいうともっともらしく聞こえるのですが、よく自分の頭で考える必要があります。
全く人の意見を聞かないのもだめだと思いますが、鵜呑みにするのもよくないと思います。