発想力の鍛え方

私は昔悩んでいたことがありました。
それはアイデアが思いつかないことでした。
その当時はプログラマーだったのですが、人から与えられた仕事をやるのみで自分から考えてソフトウェアを作るということができませんでした。
この業界に入ったのはApple Macintoshのアイデアがすばらしいと思ったからなのですが、あんな発想をどうやったら思いつけるのか当時は不思議で仕方がありませんでした。
それでアイデアを発想するにはどうしたらいいのか、発想に関連する本も色々読んでみました。
結構参考になる本もあったのですが、いまいちこれだという感じがしませんでした。


その後、サーバー管理の仕事をするようになっていろんなサーバーのお守りをしていたのですが、その中でも一番いやだったのがメールサーバーでした。
当時はsendmailというやっかいなソフトウェアが主流で設定がかなり面倒くさいものでした。
なおかつメールがとまると鬼のように怒る人たちばかりなのであまり管理したくないなという感じになっていました。
そこでふと思ったのがたかがメールを送るのになんでこんなに手間のかかるものを使わなければいけないのかということでした。
そしてメールも所詮は文字列をやりとりしているだけなのだからウェブでやったほうがいいのではないかと思うようになりました。
それで自分なりにウェブでメッセージをやりとりできるソフトを作ってみました。


このとき、はっと気づいたのは自分のまわりにアイデアのネタっていっぱいあったんだということでした。
こんなに大変だからなんとかできないかとかこういうふうになったらいいよねというのは普段私たちが目にしたものから思っているはずなのですが、見過ごしていたんだなというのがわかりました。


そして、発想力というのは習慣だということもわかりました。
仕方がないとかたづけているものをひょっとしたらこうするといいんじゃないかというふうに考える癖をつけることが発想するコツだったのです。
これって無理なんじゃないのってことでもちょっとがんばって考えてみるといいアイデアが浮かんだりするんですよね。


Apple MacintoshだってDOSみたいなPCは使いづらいからなんとかならないかという発想があったのだと思います。
何かを観察してそれに対して自分がどう感じたかを認識して改善策を考えるという思考パターンこそ発想するための第一歩だと思います。
今では自分は必ず手帳を持ち歩いて思いついたアイデアを書きとめています。
ただ、いまだに大ヒットしたアイデアが出ていないのが悩みです。(笑)