人を判断する

人を判断するのは難しいものです。
すばらしいと思った人もしばらく一緒に働いてみると全然だめだったということが結構あります。
中国の偉人、孔子は「人を判断するにその人が話す言葉ではなく何を行ったかを見なさい。」と言っています。
私はこれが究極の人を判断する方法だと思います。
私がいままで会った人でも言っていることとやっていることが違っている人がいました。
口ではすごい仕事に対してやる気のあることを言っていても会社を休みがちだったり、立派なことを言っていても辛いことを避けたりなど行動を見るとその人の本質が見えてきます。


かつて経験したプロジェクトで弁舌さわやかな人がいました。
どこかで議論の仕方を学んだのか会議では自分の思った方向に持っていくのがうまくていつも彼の主張が通るような状況でした。
しかし、この人は自分が辛くなるような状況を極端に避ける傾向がありました。
ある日のミーティングで予測していなかった作業が発生したため、残業してやらなければいけないことになりました。
しかし、彼は極力自分が残業しないために人に仕事を押し付けようとしてきました。
こちらも残業することにやぶさかではなかったのですが、彼のその態度を見て私はばかばかしくなって早々にそのプロジェクトから撤退しました。


経営者やマネージャーになると自分の行いがもっとシビアに見られることになります。
部下は常に上の人たちがどのような行動を行うかを見ています。
ある会社のマネージャーで人はいいのですが、ちょっとお調子者的な人がいました。
彼は人に気を使いすぎるのかその場その場で言ってることややってることが変わる人でした。
例えば私と話したときは自分の意見に賛成だったのに、会社のミーティングでは反対するといった一貫性のない態度をとりました。
これでは下の人は振り回されるのでついていかないでしょう。
マネージメントで重要なのは一貫性だと思います。
もちろん状況によって変えざるを得ない状況もあるでしょうが、その時はちゃんと部下に説明しないと混乱してしまうでしょう。


最近仕事をする上で重要なのは人間力だなと思うようになりました。
そう思うのも年を取ったからなのかもしれません。
私はいつもみんなが気持ちよく働けるにはどうしたらいいかと考えます。
もちろん自分も働きやすいところで働きたいからそう思うのですが、いままで経験した会社は働きにくい職場が多かったように思います。
人間力は会社などで一番生産性に影響を与えるものだと思います。
いやな奴と一緒に働かなければいけないことほど生産性を落とすものはないでしょう。
しかし、人間力はその人の生き様が反映したものなので他のスキルのように簡単に習得することができません。
ただ少し意識して行動すれば少しづつ上げることができるのではないでしょうか。
私は人間力を上げるために次のようなポイントがあると思います。


・ 自分の実力より少し上のことにチャレンジする
・ 辛いことがあっても逃げない
・ 相手の立場に立って物事を考える
・ 自分の立場をわきまえる
・ 楽しむ


他にもあるとはおもいますが、最近私が人間力が低いなと思ったポイントをあげてみました。
自分もこうありたいものですが、こういう人と一緒に仕事をしたいなと思いますね。