大人の言うことは信じるな

私は子供の頃、あまり親から勉強しろと言われたことがありませんでした。
しかし、同級生は親から勉強していい会社に入れとか医師や弁護士になれと言われている人が結構いました。
私たちの親の世代の成功とはそのようにパターン化されていたのでしょう。


最近ちょっと嫌なことがあったのですが、仕事がらみである地主と関わることになったのですが、これがかなり強欲な人でお金しか興味がないというタイプです。
まさにクリスマスキャロルのスクルージです。
(今も昔も人は変わっていないですね。)
そしてその子供が見事にみんな医師です。
この人は世の中お金が全てで、お金を得るためには医者だという短絡指向があるのでしょう。


しかし、現在のお金持ちを見るとそのモデルは古くなっているようです。
世界長者番付を見ると世界一の金持ちはマイクロソフトのビルゲイツです。
他にもIT系だとオラクルのラリーエリソンやグーグルの創業者もいます。
少し前はファンドなどの金融系の人がお金持ちでしたが、あっという間に凋落してしまいました。
それにマイクロソフトもこれからどうなるかわかりません。
ITシステムはこれからPCからインターネットへシフトしていくでしょう。
さらにオープンソースソフトウェアが広まることによってOSを独占していたマイクロソフトの優位性はなくなりつつあります。


このように成功モデルは時代とともに変わっていきます。
大企業の社員や医師弁護士などが成功だと思っている旧時代の人たちはアメリカで成功しているビジネスのことなど何も知らないのでしょう。
頭のいい子供たちだったらいずれこのような大人たちが時代遅れだということに気がつくでしょう。
結局、その時代によって人々が求めるものは変わっていきます。
最近はそのスピードが加速している傾向にあります。


成功とはお金持ちになることとは思いませんが、お金がある程度成功の目安にはなるのではないかと思います。
なぜならば多くの人に求められるものを提供したからお金をもらうことができたからです。
そう考えるとお金とは一種の人気投票の票のようなものではないでしょうか。
先の地主は人気がないのに一生懸命票を集め回っている政治家みたいです。


結局、成功するためにはこれから人々は何を求めるのか、これから時代はどう変わっていくのかを考えることが必要なのだと思います。
いま読んでいる「21世紀の歴史」という本には人類は常に個人の自由を求めていたと書いています。
翻って日本を考えてみると個人の自由は尊重されていないのではないかと思います。
先日亡くなられた忌野清志郎さんが昔、原発反対の歌を作って販売停止になったときに「日本は自由の国だと思っていたが、そうではなかった。」と話していたのが印象的でした。


結論として思ったのは、年長者の語る成功体験は無視して若い人は自分で考えて人生を切り開く必要があるということです。
上の人たちが私たちの人生を全て面倒みてくれるわけではないですからね。

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