若者に見限られる日

世の中お盆休みなので、電車もすいているし会社も人がちらほらしかいませんが、私は個人事業主なので休みなしです。
(といっても結構好き勝手に行動してはいるんですが。)


最近、友人からとんでもない上司の話を聞きました。
その上司は仕事ができない上に人の仕事まで邪魔をするそうで、部下の人たちが困っているというのです。
私も以前関わったプロジェクトで似たような経験がありました。
その上司はプロジェクトマネージャーだったのですが、とにかく会議が長くて困りました。
会議ではアジェンダもなく上司が思いつきで話をするのであちこち脱線して何も決まらないという状況でした。
また、仕事の指示が曖昧でメンバーも自分が何をやるべきなのかわからないという状況でした。
あまりに見かねたサブリーダーが仕切ろうとすると、それがおもしろくないらしくサブリーダーの邪魔をしてきます。
その後、お約束の徹夜に納期遅れという結果でした。


このような状況をみていてみんなよく我慢しているなと思いました。
私は個人事業主なので契約が終了すればおさらばできます。
一方、プロパーの人たちはいやでもその人とずっと付き合わなければいけません。
そこまでして、会社に居続ける価値とはなんなのかと考えてしまいました。
おそらく生活の安定のためなのでしょう。
しかし、これからは状況が変わるかもしれません。


いままでは経験豊かな年長者のほうが仕事もできるのが当たり前でした。
しかし、今までの延長線上で成長できなくなった日本において、この前提は完全に崩れています。
経験が長くても常に自己研鑽していないとあっという間に使えない人になってしまいます。


例えば、私がいるIT業界では少し前まではシステムインテグレーションがかなりの利益を生んでいました。
システムインテグレーションはいろんなIT製品を組み合わせて顧客の要望を実現するビジネスです。
そのシステムインテグレーションビジネスが製品のコモディティ化SaaSやクラウドなど自分でシステムを持たずサービスを利用する形にシフトしてきている現在、斜陽産業となりつつあります。
このような状況でITエンジニアも早急に新たなスキルを身につける必要があります。
しかし、正社員というぬるい待遇に安住しているとそのようなモチベーションは低いようです。
特に役職についている人ほどその傾向が強いみたいです。


そこで、もし会社が生活の安定を保証できなくなったらどうなってしまうのだろうとふと思いました。
多少のリスクを犯してでも転職したり自分でビジネスしたりするでしょうか?
日本は転職についてはまだタブー視するところがあるようで、全体的には転職はそんなに多くありません。
しかし、状況は常に変化します。
私が社会に出た頃はまだ転職は一般的ではありませんでした。
しかし、いまや転職サイトがたくさんできて、多くの人がそれを利用しています。
なのでいつかできない上司やだめな会社を見限る人たちがたくさんでてきて、自分でなんとかしようと思うようになるかもしれません。


いろんな製品を製造して世界中に売っていた日本の成功モデルは新興国の台頭や環境問題などにより終わろうとしています。
しかし、1億人の日本人が今までの生活を維持できるほどの利益をもたらす次の産業がまだ見つかっていません。
財政赤字は1000兆円を超え、日本自体が破産するリスクも増えてきています。
このような状況をもし若者たちが理解したらどのような行動に出るのでしょうか。


次の衆議院選挙では自民党が野党になる確率が高いと言われています。
国民は古い体質の自民党を見限っているのだと思います。
それと同様に既存の企業も若者から見限られないように何をすべきか考える時期なのだと思います。