グローバリゼーションという考え方

通信技術や交通手段の発達により世界は狭くなり人、もの、金、情報が自由に移動できる時代になりました。
そのため、企業は人件費の安い中国やインドに拠点を作り、巨額のお金が世界中をかけめぐるようになりました。
しかし、その結果、世界はどうなるのでしょうか。


企業は世界で競争に勝つために日々努力していますが、その結果日本やアメリカでは多くの人が失業しあらゆるものが安くなっていくデフレの状況になっています
資本主義の自由市場で企業が競争しているのでこれは仕方のないことなのでしょう。
ただ、それが多くの人たちのメリットになっているのかが疑問です。


例えば、食物を考えてみると中国で作られた冷凍餃子に有害物質が入っていた事件がありました。
確かに中国で作れば安いのでしょうが、安全性を考えると価格だけで決めてしまうのはリスクがあるということです。
オーガニックという考え方がありますが、これは地産地消という考え方を含んでいてそこでできたものをそこで食べるということです。
そして、経済効率ばかり考えるのではなく人が生きていく上で食べる物はどうあるべきかということを一番に考えなくてはいけないということなのだと思います。
しかし、経済効率ばかり考えていると日本の農業は衰退し食べ物を作るスキルをもつ人たちがいなくなってしまいます。
遠い将来のことも考えると日本で食べ物を作るということはやめてはいけないのだと思います。


また今、中国の勃興によって日本の製造業が衰退し、私の仕事であるエンジニアの仕事が日本でどんどん衰退しつつあります。
この流れを受けて大学の理工系を目指す学生が少なくなり、企業はソフトウェア開発をコストの安いインドや中国にアウトソースしています。
このままいくと日本でソフトウェアやハードウェアを作れるエンジニアがいなくなってしまうかもしれません。
ITは斜陽産業になりつつあると言われていますが、最近のApple iPadの発表やGoogle Android携帯の発売などまだまだビジネスチャンスはたくさんあります。
そしてMPUの出荷数も近年増加傾向にあるため、エンジニアの需要はこれからも増えていくものと思われます。
もちろんその需要をインドや中国がまかなうこともできるのでしょうが、日本からエンジニアがどんどん少なくなっていいのでしょうか?
例えば品質の高い製品作りや細かいところまでこだわる姿勢などまだまだ中国やインドはできないことだと思います。
なので安いからという理由で全部アウトソースしてしまって日本国内の開発能力がなくなってしまうことは大きなリスクなのではないでしょうか。


基本的に私はグローバリゼーションは時代の流れだと思っています。
しかし、だからといって自分たちで努力することをやめて全部海外に頼ることは将来に禍根を残すことになると思います。
マハトマガンジーはイギリスの植民地政策に対抗するためにインド人自ら禁止されていた塩の生産を行いました。
高いイギリス産の塩を使わず自分たちが使う塩は自分たちで作るという姿勢は現代の私たちにも教訓となると思います。
まずは自分のできることは人に頼らず自分でやっていくことがいま一番大事なのではないでしょうか。

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