君たちに明日はない

君たちに明日はない (新潮文庫)君たちに明日はない (新潮文庫)

新潮社 2007-09-28
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ここ何年かTVを見なかったのですが、父の部屋にTVがあるのでたまたま見た君たちに明日はないというドラマを見ました。


原作者の本は知っていたんですが、リストラ請負人の話と聞いてあまり聞きたい話ではないなとスルーしていました。
しかし、ドラマを見るととてもおもしろい。
主人公はいろんな会社のリストラを請け負うのですが、リストラされる側の状況は色々あってそこでどういう思いがあるのかをうまく描いているなと思います。


企業はしょせんは利益を生み出すための人の集まりです。
企業は売り買いされるという視点(企業買収という意味)で考えると株主のものであり、儲けた利益を株主に分配するためのしくみです。
利益を増やすためには売上を増やして経費を減らす必要があります。
そしていまや多くの企業の最大の経費が人件費になっています。
したがって、整理解雇するというのがてっとりばやく利益を増やす方法になってしまいます。
(日本では法律でそのあたりは乱用されないようになっていますが。)


数字の上ではそうなるのですが、普通の人の感覚とは少し違うのではないかと自分は感じます。
本当にお金のためだけと割り切って働いている人はどれだけいるでしょうか?
やはり自分のやりたい仕事だったからやっている人もいるでしょうし、やっているうちに楽しくなって続けている人もいると思います。
また単純にお金を貯めて金持ちになりたいから働いている人も多いでしょう。
ドラマのHPで原作者はこんなことを書いています。


おそらくだが、仕事をする意味とは、「その仕事が好きだから」という
単純極まりない理由にしか存在しない。
また、社会的動物である人間には、そういう意味での自己実現しかありえない。

私もこれが人として一番自然な考え方だと思います。
もちろん多くの人は家族のためだったり、偉くなりたいために一生懸命働いている人もいると思います。
しかし、家族のために働いていた人は子供が大きくなった後はどうするのでしょう。
偉くなりたい人は偉くなった後はもう働きたくなくなるのではないでしょうか。
私のまわりでもお金のためだけに生きている人をたくさん見ますが、あまり楽しそうな人はいませんし死ぬときに後悔するのではないかと思うような人も結構います。
長い人生を通して働こうと思えるのはやはり好きだという感情なしには持続不可能ではないかと思います。


来週はこのドラマの最終回ですが、リストラ請負人としての仕事に迷いのある主人公の何らかの結論が出るのでしょう。
ビジネスとして割り切ってやれば楽なのにそれができない主人公がどういう結果を出すのか楽しみです。
それと原作もあわせて読んで見ようかなとおもいました。


しかし久保田利伸の歌もいいですね。

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久保田利伸

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