今なにが起こっているのか

最近世界の情勢を見ていて考えてみるといろんな変化の予兆があるなと感じるようになりました。
そこで一番思ったのは日本は世界の変化に抵抗して古いやり方にこだわっているということです。


例えばIT関連でいうと最近はこんな動きがあります。



  • iPhoneやアンドロイドなどのスマートフォンの普及


  • 電子ブックの普及


  • ネット販売の隆盛と店舗販売の凋落




これは既存の産業を破壊する方向の動きです。
スマートフォンの普及はDocomoやauの携帯ビジネス支配の終焉を意味します。
今まで携帯ハードや携帯ソフトウェアは全てキャリアが支配していましたが、iPhoneAndroidではキャリアは単なる電波貸し業者になってしまいました。


また電子ブックの普及によって取次店や書店、印刷業者はいらなくなります。
後、新聞や雑誌の凋落もスマートフォンの影響が大きいと思います。
そしてAmazonなどが売り上げを伸ばし、百貨店やスーパーがどんどん閉店しています。
こういう状況を見ているとかつてアメリカで鉄道から自動車に移動手段が変わったのと似た状況がいま起こっているのではないかと思います。


こういう変化に対して日本は何をやっているかというと派遣を規制したり税金によって破綻すべき企業を延命させたりしています。
私の知っている会社でも政府の助成がないとやっていけない会社ばかりで日本は本当に社会主義の国なのだと思います。
Chikirinの日記 「経済成長に必要なインフラが変わることの意味」にも今の日本のやっていることが世界の変化に対応していないことが書かれています。
学校、企業、政府など全ての日本の組織が大量生産型製造業に特化しているために変化することが難しいのでしょう。


こういった今起こっている変化をふまえると未来はどうなると予測できるでしょうか?
まず古いタイプの企業がなくなり新しい産業にとってかわられるでしょう。
製造業は歴史的に見て先進国では消えて行く運命にある産業です。
アメリカやヨーロッパでは既に多くの電機メーカーや自動車メーカーがなくなってしまいました。
そして、製造業からサービス業へシフトしていきました。


次にITの普及によりメディア系産業が淘汰されるか変化せざるを得ない状況になるでしょう。
例えば新聞の電子ブックや携帯電話の配布により新聞配達がなくなります。
そして出版では書店や取次店もなくなり、テレビもネット上で誰でも放送できるようになった今、もはや高給がとれるビジネスではなくなるでしょう。
また、情報がオープンになることによって情報を隠蔽することによって利益をあげていた産業が衰退するでしょう。
例えば流通や小売り、不動産などブローカー的なビジネスは仕入れ値と売値がガラス張りになることによって今までのような利益はあげられなくなります。
安く買って高く売るという裁定取引は商売の基本ですが、それがITによってやりにくくなってきています。


またワークスタイルも変化していく可能性があります。
今や日本の企業は終身雇用を保証することができなくなりつつあります。
そうすると契約による労働力提供という形になっていかざるをえません。
しかし、日本企業は新卒で雇用して育てるという経営をやってきたため現在は契約をベースとした雇用体制にはなっていません。
やはり政府が企業を援助するのをやめて企業の自助努力で生き残らなければならないようにならないとなかなか変わらないのでしょう。


今回の不況は今までごまかしながらやってきたつけがついにきたという感じです。
今、就職活動している若い人たちは大企業や官庁など安定を求めているそうですが、古いやり方をやっている組織などいくら大きくても凋落していくのはまちがいありません。
これからはどれだけはやく世界の変化に適応できるようになるかが日本だけでなく私たち個人にとっても重要なことなのだと思います。