学校を出てバザールで学ぼう

スティーブジョブズがなくなって彼の生前に言っていたことをふと思い出しました。

  • 大学をやめて好きな勉強ができるようになった
  • Windowsはノーテイスト

一つ目は、彼は大学をドロップアウトしたのですがカリグラフィーや禅など自分の好きなことを大学をやめたから自由に学ぶことができたと語っていました。
そして、そのことがMacやその後に続く製品を生み出すときに役に立ったそうです。
二つ目は彼がAppleを追い出されてNeXTという会社をやっていたころに言っていた言葉ですが、私も当時Windows全盛の状況をあまり好きにはなれず同じ思いをしていました。
それはMicrosoftが単なる工業製品としてソフトを売っていたのとちがって、Appleはあたかも芸術作品のようなこだわりをもって作っていたからだと思います。



私も大学受験をあきらめたころApple IIを買ってコンピュータやプログラミングを自分で勉強しました。
また、本が英語のものばかりだったので英語も自分で学びました。
つまり、学校の外でもいくらでも学ぶことはできるし、むしろそのほうが本当に自分の身になるのではないかと思います。
実際、今の私はそのころ自分で学んだことが基本となっています。


ただ、学校で勉強することもいいことだと思います。
若いころに受験があるのは学ぶことの楽しさや重要性を認識する機会としてはいいかもしれません。
しかし、いい仕事を得るためにいい学校へ行くというシステムは人を学力というものさしでフィルターしているにすぎず、優秀な人材を育成するという点では機能していないのではないでしょうか。
私も受験勉強した経験があるので思うのですが、学校の勉強は本当にノーテイストだと思います。
それは教える側が余計だと思われるものを取り除いて、抽出した知識のみを教えようとするからだと思います。
そこには人の思いや熱意というのは感じられません。
後、学校はお金や時間がかかりすぎることですね。
このあたりも学校の企業努力でなんとかしてほしいところです。


私の好きな数学者のガロア群論という新しい分野の数学を考え出した人であり、同時にフランスの革命家でした。
彼は21才で恋人をめぐる決闘で命を落とすのですが、そういう生き方をした人が考えた数学というのはどういうものかという好奇心がわいてきます。
彼は当時の社会体制にも批判的で革新的な考え方をもっていました。
そういう人だからこそ数学でも革新的な業績を成し得たのだと思います。
こんなことを感じながら学ぶことはノーテーストな学校の勉強ではありえないでしょうね。


また、学校のだめなところとして人によって学ぶ速度や向き不向きが違うのに、ひとつのやり方を強制するところです。
一を聞いて十を知るような飲み込みの速い人もいるでしょうし、じっくり時間をかける人もいるでしょう。
また、人生にはいろんなことがあります。
病気をすることもあるし、お金を稼がなければいけない人もいます。
学校はそんな事情はお構いなしに自分の都合でことを進めていきます。
しかし、これからはそれぞれの人にあったサービスを提供しないと学校も生き残れない時代になりつつあるのではないでしょうか。
もちろん一生学ぼうとは思わない人もいるかもしれませんが、そんな人を無理に勉強させても無駄でしょう。
教育もビジネスと考えるなら、需要のないサービスを提供する意味はありませんし、学ぶということは結局はその人のやる気が一番重要だと思います。


また、学校だけの勉強ではわからないことが世の中にはたくさんあります。
例えば、アメリカは実際に行くと貧富の差がはげしい社会で、貧しい人々が多く住むところは治安が悪くて危険な場所が多くあります。
そのためか貧しい人たちの社会への怒りは日本よりも強いように感じられます。
ヨーロッパやアジアに行っても同様の状況があって日本は世界でもまれに見る貧富の差の少ない社会だということが実感できます。
しかし、日本の人々が幸せかというとそういう実感は少ないのではないでしょうか。
むしろ、アメリカのほうがなぜか人々がいきいきしてるなと私は感じました。。
こういうことは学校で勉強しているだけではわからないことです。


そういった感じで学校以外でも学ぶことはできるし、むしろそちらのほうが多くの人にとって向いた方法かもしれません。
では学校の外で学ぶ方法としてどういう方法があるでしょうか。

  • 書籍

アマゾンや大きな書店にいけばいまやあらゆる書籍が手に入ります。また、電子書籍の普及もあって洋書も安価で手軽に買えるようになってきました。
図書館で借りて読むのもいいですが、できれば買って読むと払った分を取り返そうと集中して読めるのではないでしょうか。
毎月1万円とか金額を決めて買うと結構な量を読めると思います。

  • インターネット

インターネットは情報収集としての機能もすばらしいですが、情報を発信するツールとして使うべきだと思います。
私のようにブログで思ったことを発表するのでもいいですし、写真や絵を発表したり、論文やソフトウェアを発表するのもいいでしょう。
英語で書けば世界中の人たちが見ることができます。
また、ソーシャルネットを使って人とのコミュニケーションを広げるのもいいでしょう。
私は不特定多数への発信はTwitterを使って知り合いとのコミュニケーションはFacebookを使っています。
時々、SkypeでTV電話したりもしています。

  • 海外へ行く

いまや格安航空会社も出てきて気軽に海外にいけるようになりました。
私のおすすめは一人で海外に旅行することです。
治安や言葉の問題はありますが、一人で行くと好きなところにいけますし、現地の人たちといろんな交流ができて面白いと思います。
ただ、女性でひとり旅はあぶなかったりするので現地のガイドさんなどに依頼して付き添ってもらうほうがいいかもしれません。

  • 行動する

学んだ成果を共有したり、誰かのために貢献したりすることはモチベーションをあげるためにもいいと思います。
例えば、勉強会を開いたり、誰かと一緒に何かを作り上げたりするのもいいでしょう。
学ぶということは自分が社会に何か貢献できる人になるための行いです。
そういう人が社会に貢献することによって本人もやりがいや幸せを感じられるようになるのではないでしょうか。


学ぶということは学位をとって実入りのいい仕事につくことが目的になりがちですが、本当の目的は社会に貢献する人となってその結果自分が幸せになるために行うことだと思います。
資本主義社会に生きる私たちにはお金はもちろん大事ですが、お金ばかり追いかけて年老いていく人生ってあんまり幸せではないと思います。
また、資本主義社会の成熟とグローバル化によってかつてのような雇用は減っていくでしょう。
つまり、上からの指示にしたがって行う仕事はこれから減っていくということです。
そんな時代に必要なのは個人が新たなことを学んで自分で考えて行動する能力です。


これからはバザールという外の世界に出て学ぶ喜びや人に貢献する喜びを大事にして生きていきたいものですね。

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