もし二十歳の自分に話せるとしたら

f:id:anthony-g:20120220152742j:image


photo credit: Thomas Hawk via photopin cc


昨日は成人の日だったんですね。最近家で仕事をしているので曜日の間隔がないため世間は連休だったんだなと先ほど気づきました。
いろんな方が新聞などで成人に向けての記事を書かれているのをみて、自分は今年二十歳になった人に何か言えるほどえらくはないけど、もし今の自分が20歳だったころの自分に言えることは何かなとふと思いました。


20歳の頃の自分は受験に失敗してやりたいこともなく楽な方に流されて生きていました。
ただ、このころからコンピューターに興味を持つようになり、やりたい仕事が見つかりつつある時期でもありました。
それまで受験というレールの上に乗っていてまわりが見えなかったのが、そのレールから降りて自然と興味のあることに目を向けることができるようになったのかもしれません。


そんな彼にはこんな7つのアドバイスをしたいと思います。


1 まず自分を知ろう


自分のことはわかっているようで、意外にわかっていないものです。
例えば、自分はモノを作るのが好きだから職人に向いてると思ってたのに実際に仕事をしてみると接客の仕事のほうがうまかったりします。
また、今はまだサラリーマン的な働き方が主流ですが、そういう環境に馴染めない人も結構います。
まずは自分がどういう人間なのかを理解して、自分の能力が最大限発揮できる環境に移れるように努力しましょう。
それは、就職かもしれませんし、起業かもしれません。または、海外に行くことかもしれませんし、芸術家的な生き方なのかもしれません。
それは誰もおしえてくれない、試行錯誤しながら自分で発見しなければいけないことなのです。
なので、できるだけいろんなことにトライしてたくさん失敗してください。
そうすればおのずと自分のことがわかってくると思います。




2 自立して生きる


20歳の君はまだ親に依存して生きていると思います。
住む場所は親の家に同居しているでしょうし、もし大学に行っていれば親のお金に頼っているでしょう。
しかし、いつかは親の扶養から離れて自分で稼いで生きていかなければいけません。
親もいつか年老いてあなたが介護したり面倒みなければいけなくなる時がくるでしょう。
なので、できるだけはやく自立できるように生きたほうがいいと思います。
それは経済的な自立だけではなく、自分の人生は自分の責任で決めていけるようにすることです。
現実的なことをいうと、親というのは自分の子供を自分の思い通りにしようとするものです。
例えば、自分の仕事を子供に継がせようとしたり、自分の決めた相手と結婚させようとします。
もちろん親心があってそういうことをするという面もありますが、親も自分の欲望があって子供を自分の思い通りにしたいと思っています。
しかし、親の言うとおりに生きるのでは自分の人生を生きているとは言えないでしょう。
そういうしがらみから抜け出すためにも、これからは自分一人で生きていくんだという覚悟をはやくもつべきです。




3 自分の直感を信じる


君はまだ20歳なので社会のことはまだ何もわからないと思います。
なので大人から社会はこういうもんだと言われるとそうなのかなと思ってしまうかもしれません。
しかし、自分が何かおかしいなと感じたらまずは自分を信じてみましょう。
例えば、こんな話がありました。
ある人は会社で働いていたのですが、お金をためてアメリカの大学にいくことにしました。
それを上司に言ったところ、君の年齢で留学してももう遅いと言われました。
その人はもうすぐ30歳だったのですが、自分の直感を信じて留学しました。
その後、日本では英語のできる人材が求められるようになり、その後の仕事にとても役に立ちました。
大人は過去のことに縛られているので社会はこういうもんだと思い込んでいる人が結構います。
そんな人たちの言葉は信じないで、自分の人生は自分で考えて決めていくべきです。




4 やりたいことは今からはじめる


20歳の君はお金もないし、まだちゃんとした仕事にもついていないかもしれません。
なのでやりたいことがあっても、まずはお金を稼げるようになってからやろうと思っているかもしれません。


こんなエピソードがあります。

ある投資家がバカンスで南の島に行きました。
浜辺を歩いていると若者が貝でとてもきれいなアクセサリを作っていました。
それを見た投資家は若者にそれをたくさん作ってビジネスにしないかともちかけました。
若者「これをビジネスにしたらどうなるのですか?」
投資家「たくさんお金が儲かってお金持ちになれますよ。その後は南の島ででも悠々自適に暮らせますよ。」
若者「それなら今、私がやっていることですね。」




例えば、本を書いてみたいとか音楽を作ってみたいなどお金にはならないかもしれないけど、今からやろうと思えばできることは結構あると思います。
もしそういうことがあるのなら、お金が稼げるようになってからなんて思わず今からやるべきです。
人生はやりたくもないことをやってられるほど長くはありません。




5 お金で仕事を選ばない


社会に出るとお金を稼ぐために仕事をしなければいけません。
なのでたくさんお金をもらえる仕事がいい仕事だと思いがちですが、必ずしもそうではありません。
例えば、ある企業向けコンサルティングの仕事をしていた男性はたくさん給料をもらっていましたが、休みなしで働いて家族と過ごす時間もありませんでした。
そのために家庭は崩壊し、その人は奥さんと離婚することになってしまいました。
また、あるエンジニアはもう将来性のない製品のサポートをしていました。
この人も給料はたくさんもらっていましたが、技術革新についていけなくなってエンジニアの仕事から引退しました。
2012年の今はサスティナビリティという言葉で呼ばれていることなのですが、仕事は人生の中で長い間やらなければいけない行いです。
なので仕事をお金だけで選ぶのではなく、自分の人生とマッチしているのか、その仕事ややり方が持続可能なのかを考えて選ぶべきです。




6 他と比べない


20歳の君の時代は今、とても景気がいいと思います。
後にバブルと呼ばれるのですが、大学にいった友人はみな一流企業に就職していることと思います。
それにひきかえ自分はだめだと思っていませんか?
未来のことを内緒で教えましょう。
彼らの多くは名前だけで就職先を決めたので、後にうつ病になったり会社をやめたりしています。
自分にあわなかったんですね。
また、その後多くの大企業ではリストラが行われたり倒産したりしました。
世の中絶対安泰なものなどありません。
長い人生の中ではいい時も悪い時もあります。
悪い時に一時、人よりみじめだと感じてもそれがずっと続くわけでありません。
なので君は君の道を進めば大丈夫。
これからの人生は人と比べるのではなく、自分だけの人生を生きていってください。




7 人にやさしく


君はこれからいろんな人と出会うと思います。
人を騙したり利用したりする人ともたくさん出会うでしょう。
そういう人たちばかりだと人間不信になってしまうかもしれません。
しかし、君が人と接するときはできるだけ相手にやさしくしてあげましょう。
ことわざで「情けは人のためならず。」というのがありますが、これは人を甘やかしてはいけないという意味ではなく人に情けをかけると自分に返ってくるという意味です。
人は完璧ではありません。
しょうがない人だなと思ってもできるだけその人のいいところを見るような寛容な心を持つようにしてください。
そうすればいい人間関係が持てるようになるでしょう。




20歳になったばかりの君にいうのはどうかと思いますが、人間はいつか必ず死にます。
その死ぬときにいい人生だったと思えるように精一杯生きてください。
誰の人生でもない君だけの人生を。