GMとともに

4478340226GMとともに
アルフレッド・P・スローンJr.

ダイヤモンド社 2003-06-06
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 「GMとともに」はゼネラルモータースのCEOを長年つとめたアルフレッドスローンJrが書いた経営書です。基本的にはGMの歴史がベースになっていますが、その中には経営に関する重要な知識がちりばめられています。
 事業部制や車のモデルチェンジなど今では当たり前になったことは全てGMで生み出されました。日本がアメリカに戦争で負けたのもGMのようなすばらしい企業があったからではないかと思います。

 GMももともとベンチャー企業でした。現在のシリコンバレーのベンチャー企業のようにいろんな部品メーカーや自動車会社を買収して大きくなっていきました。GMはよくフォードと比べられますが、フォードは自前の技術を中心にビジネスを行っていました。それに比べて初期のGMはいろんな会社の寄り集まりで統一性がなかったようです。そのような状況が事業部制などの分散統治型の組織になっていた要因だったのでしょう。

 やはりGMはアメリカの企業なので株主をとても重要視しています。しかしスローンは社員をとても大切にしていてレイオフが大嫌いでした。また借金するのが嫌いで借りてもできるだけ早く返すようにしていたそうです。また技術を基本にすえる経営を行い、研究開発に力を入れていました。スローン自体もMIT出身のエンジニアだから技術指向だったのでしょう。
 しかし経営者として財務が一番大切であることを認識していました。GMはある時期急激な拡張戦略によって財政的にピンチに陥りますが、スローンの指示の元、財務体質を改善し会社を立て直すことに成功します。彼は危機に直面することは重要なことを学ぶチャンスであると思っていたようです。

 時代は変わってGMが発展したころと今とでは状況はかなり変わってしまいました。しかし経営の基本は今も昔も変わらないと思います。この本の結びで企業として一番大事なのは変化に対応することであると言っています。昔に比べると今は変化の激しい時代になってしまいましたが、そんな時代だからこそスローンの考え方を学ぶべきだと思います。

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