英語の本を読んでみよう(ビジネス編)

前回に続きビジネス関係で私が読んでよかったと思った英語本をご紹介します。


Drive

Drive: The Surprising Truth About What Motivates UsDrive: The Surprising Truth About What Motivates Us
Daniel H. Pink

Riverhead Trade 2011-04-05
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翻訳された本のタイトルは「モチベーション3.0」というちょっといけてない感じですが、内容はとてもすばらしいです。
この本はそのタイトル通りモチベーションに関するもので、いままでの常識を覆す内容です。
いまは、どこの会社もよく働くと思われる人には給料やボーナスをたくさんあげています。
しかし、これがまちがいだということは科学の世界では常識になっています。
もちろん、これは条件付きの話で、工場作業のような単純な作業はお金を上げるとモチベーションがあがることがわかっています。
しかし、21世紀になって高度な頭脳労働が主な仕事になったため、お金よりもやりがいや達成感が重要になりました。
それなのに企業はいまだに20世紀の考え方で経営しています。
この本に書いてあることを実践する企業が増えれば世界はよりよくなるかもしれません。
TEDの著者のプレゼンがとてもわかりやすいので、本を読む前に見てみて下さい。





InGenius
inGenius: A Crash Course on CreativityinGenius: A Crash Course on Creativity
Tina Seelig

HarperOne 2012-04-17
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和書名「未来を発明するためにいまできること」というタイトルで翻訳されています。
著者はスタンフォード大学で起業家向けの教育プログラムを行なっている人でNHKでも彼女の講義が放送されていました。
21世紀のビジネスで重要なのは創造性だと言われますが、いままでは一部の天才だけが持つ能力と思われてきました。
しかし、著者は創造力はトレーニング可能だと言います。
例えば、ある人が橋を作ってくれといってきたとします。
そこでなぜ橋が必要かを聞いたら川を渡りたいからという答えが返ってきました。
それなら、船で渡る方法もあるし、泳いで渡ることもできるでしょうし、現実的ではないですがトンネルをほったりヘリコプターで運ぶ方法もあるでしょう。
このように問題の本質を探ることにより新たな発想が出てくるようになります。
この本に書かれていることを意識しながら物事をみると新たなビジネスアイデアが出てくるかもしれませんね。




The Lean Startup

The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful BusinessesThe Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses
Eric Ries

Crown Business 2011-09-13
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シリコンバレーでは多くのベンチャー企業(英語でStartups)が起業されますが、3年で半分以上が消えます。
著者は、それは顧客の求めていないものを多大な労力と資金を使って作っているのが原因だといいます。
もちろん、何が売れるかわからないからベンチャーなのですが、もっと成功する確率をあげる方法がリーンスタートアップという考え方です。
リーンスタートアップとは簡単に言うと、できるだけ最小の機能で公開し、顧客のフィードバックを学習し、必要であれば業態さえも変えてしまうことをいいます。
そうすれば早い段階で方向転換ができて無駄な投資をしなくてすみます。
直感的にはなかなかできないやり方ですが、資金も人も少ないベンチャー企業は学ぶべきマネージメント方法だと思います。
こちらもGoogleで著者が話しているビデオがありました。




Good To Great

Good to Great: Why Some Companies Make the Leap...And Others Don'tGood to Great: Why Some Companies Make the Leap...And Others Don't
Jim Collins

HarperBusiness 2001-10-16
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和書名「ビジョナリーカンパニー2」で日本でも有名ですね。
この本は過去数十年にわたって株価の上昇が極めて高い企業を集めて、なぜ高い業績を出せるのかを分析した本です。
Good to Greatという英語のタイトルは普通くらいの企業がある時期から偉大な企業に変わったという意味で、最初からカリスマ的な経営者が起こした会社ではなく、そこら辺にあるような会社がなぜ偉大な企業に変貌できたのかをデータから分析しています。
タイトルからわかるようにビジョナリーカンパニー1という本も出てるのですが、その中で取り上げられている企業が起業当時から偉大な企業だったので多くの人の参考にならないと著者が文句を言われたために2を書いたそうです。
その中でも私が印象に残ったのは「適切な人をバスにのせる」ということでした。
会社はいろんな成長段階があって、そのタイミングで必要な人を企業に入れる必要があります。
また、一般に優秀とされている人でも企業によってはあわない場合もあります。
そのあたりを判断して適切な人を雇うことが偉大になる企業の重要なポイントのようです。
そうはいってもそれを判断するのは難しいと思いますが。


Enchantment
Enchantment: The Art of Changing Hearts, Minds and ActionsEnchantment: The Art of Changing Hearts, Minds and Actions
Guy Kawasaki

Portfolio Penguin 2012-04-05
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著者のガイカワサキはAppleエバンジェリストというサードパーティーに初期のMacのソフトを作ってもらうようプロモーションする仕事をしていました。
私が最初にMacを買った時に雑誌に彼の写真がよく出ていたんですが、何の仕事をしている人かわからなかったですね。
Enchantmentとは魔法をかけるとか人を魅了するという意味で、MacやiPhoneのように人を魅了する製品やサービスを提供するにはどうしたらいいかを説明しています。
その人を魅了する方法の一つとして物語を語れと言っています。
企業は製品を宣伝するとき、計算速度が速いとか記憶容量が多いといったスペック的なものになりがちです。
そうではなくこの製品によってあなたの生活はこう変わるとか社会をこう変えていくといったストーリーを語ることによって顧客をファンにすることができます。
それは逆に言うと提供する側の人がお金儲けではなく社会を変えたいというモチベーションを持って仕事をするということなのだと思います。
下の動画はロンドンで行われたもののようです。
「わがまま」という日本レストランがお気に入りのようです。





最近はYouTubeで著者の生の声を聞けるようになりました。
なのでリーディングもリスニングもこんな安いコストでできるようになったなんていい時代になったなと思います。
私の経験からも英語は最も投資効果の高いスキルだと思います。
どんどん英語を読んで聞いてグローバルに活躍できるようになれるといいですよね。