パラダイムシフトは難しい

今日は私が長年おつきあいしている会社の方を別の会社に紹介するための飲み会に参加しました。
私は結構いろんな会社を渡り歩いているのでいろんな方とおつきあいさせていただいているのですが、最近の不景気のために仕事を紹介してほしいという話をいただくことが多くなりました。
今日はそんな要望に答えてビジネスになりそうな会社同士を紹介する仲介をしたのですが、ビジネスに発展しそうな感じでよかったなと思いました。
もちろん私はボランティアでやっているので自分にとっては全く利益にはなりませんが、色々お世話になっているので恩返しのためにやっている感じです。


ただ、今日の飲み会で色々話をしていて少し気になることがありました。
景気低迷で仕事が激減しているため苦しい状況なのはわかるのですが、彼らがいままでと同じ方法で仕事を取ろうと考えているところです。
つまり大手企業からいかに案件を取るかというところばかりに注目しているところです。
中小企業などITから取りこぼされたマーケットがまだ未開拓であるのに、中小企業はお金を持っていないからといって最初から相手にしないスタンスでした。
今まで大企業相手に一件あたり大きな金額でビジネスができたので、それが当たり前になっているのでしょうが、こんな経済状況になっても考え方が変えられないのはどうかなと思いました。
確かに中小企業はお金がないですが、かといってはじめからビジネスにならないと考えるのは思考が停止しているのではないかと思います。
私もいくつか小規模企業の案件をやりましたが、一件あたりの単価は安いですが依頼は結構あります。
そのニーズをうまくビジネス化して利益に持っていけば新たな展開があるのではないでしょうか。


Googleも最初はビジネスになりませんでしたが、検索連動型広告という当時はニッチな広告ビジネスで1件あたりの広告費は安いですが数を稼げば結構な収入になりました。
テレビCMに比べればゴミのようなお金でしょうが、今やGoogleを世界一のIT企業にしましたからね。


人間にとって考え方を変えるというのはとても難しいことです。
いままでうまくいっていたビジネスモデルを根本から変えなければいけないというのは不可能に近いことなのかもしれません。
しかし、今回の金融危機は企業に根本的は考え方の変更をせまる状況を作り出しました。
それはIT企業だけではなく製造業や流通業、建築業など全ての業種に波及しました。
そのような状況でどうすればいいか多くの人がわからない状態なのでしょう。
こんな時こそ違う考え方で行動してみてはどうでしょうか?
例えば、中小企業はお金にならないと最初から決めてかかるのではなく、まずは実際に行動して利益になるようなビジネスができないかと考えてみてはどうでしょうか。
事実、私は小規模企業からいくつか仕事をいただいています。
そしてこれから継続的にお付き合いさせていただけそうな状況です。


いずれ景気は戻るでしょうが、長期的に見て日本は人口減少に伴っていままであった仕事は減っていくことになるでしょう。
しかし、新たなニーズやマーケットを開拓できれば仕事を増やすことは可能です。
今の企業は現在目に見える仕事しか見ていないのですが、それではジリ貧になっていくのではないでしょうか。
目に見えるものを見るようにして、常識にとらわれなくて自分で考える力こそこの激動の時代に必要なスキルではないかと思います。


ダーウィンの進化論の考え方として「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」というのがあります。
これは企業にも当てはまるのではないでしょうか。
そして、この急激な環境変化に対応できる企業こそこれから繁栄する企業なのだと思います。

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