プロダクトストラテジーをやっと読み終わりました。結論としてビジネスで成功するのは難しいということがなんとなくわかりました。今まで成功した企業も運がよかっただけかもしれませんが、一環した戦略がないと絶対成功しないということです。
翻って私のまわりを見ると企業戦略として考えている企業は見当たりません。底辺のエンジニアとして働いているからかもしれませんが、他社と差別化して優位なビジネスを行っているところはないですね。そのため営業は売るのに非常に苦労していますし、エンジニアも少ない予算で多くの仕事をこなすことを要求されます。つまり価格競争に巻き込まれています。
日本のIT企業は今までは御用聞きのようなビジネスをしているところが多かったと思います。私はここ数年提案の仕事もしてきましたが、なかなか受注できないと感じています。RFPをいただいて提案書を作るのですが、基本的に顧客の要望を満たすことがメインになりますのでどうしても御用聞きっぽいビジネスになってしまいます。
では御用聞きビジネスにならないためにはどうすればいいのでしょうか?本を読んだ内容を踏まえて自分なりに考えてみました。
1 自社のビジョンを確立する
自分たちの会社が存在する意義は何かを明確にします。例えばMicrosoftは「世界中の人たちにPCを使えるようにする」などビジネスのミッションを定義します。そしてビジョンは時とともに変える必要があります。Microsoftのビジョンもいまや古くなってしまいました。そうなった場合はビジョンの再定義をしなければいけません。
2 ターゲットを設定する
利益を追求する企業はいい案件があったら何でも飛びついてしまいがちです。しかし企業がビジョンを持っていれば自然とターゲットとする顧客も決まります。法人相手なのか個人なのか、どの業種か、国内なのかグローバルを目指すのかなどビジョンに基づいて決定していきます。
3 差別化要素を作り出す
自分の企業がなぜ存在しえるのか、それは他とは違うものがあるからです。それは先端技術かもしれませんし、サービス内容かもしれません。それを磨いて世界で一番をめざします。私の業界ではソフトウェアやハードウェア、開発プロセスなどでしょう。
4 マーケティング戦略を考える
ターゲットを設定しても顧客に到達して成約に結びつかなければ意味がありません。例えばソフトウェア販売だと今までは販売代理店などを通して販売されていましたがこれからはインターネットでASPとして売るという方法に変わっていきます。そうなったときの広告はどうするのか、インターネット広告や口コミ、コミュニティサイトでの広告などが考えられます。マーケティング戦略を考えることにより御用聞き的な待ちの姿勢から積極的にこちらから提案していく方向になっていきます。
ただ現実問題として日々キャッシュフローがないと企業は成り立ちません。既存のビジネスでキャッシュを確保しつつこれらのことを行う必要があります。
特にビジョンの確立は重要です。企業はこれを元に動くことになります。ビジョンにより企業は単なる利益追求団体からミッションを実行する組織にレベルアップすると思います。
皆さんの会社のビジョンは何ですか?そしてあなたの会社が存在する理由はなんですか?もし明確でないならこの機会に同僚や上司と話し合ってみてはいかがでしょうか?