仕事を始めたころの自分を取り返す

 みなさんは自分の仕事を楽しんでいますか?

 私は今は正直言って100%楽しんではやっていません。プログラマーとして仕事を始めた頃は何もわからず不安でしたが仕事を楽しんでいました。今はその頃の自分を取り戻すために努力しています。

 ふとなぜ仕事がつまらなくなったかを考えてみるといくつか理由があります。

1 過酷な労働で心身ともに疲れてしまった

 慢性的に長時間労働であったことも原因かもしれませんが、精神的に追い詰められるのが非常につらかったですね。まだ入って間もないころに客先に一人で行かされて客にクレームをつけられる状態だったので少しノイローゼ気味になってしまいました。
 いま考えるとあそこまでやらなくてもよかったと思います。ちゃんとした営業やマネージャーもつけてもらえず顧客対応から開発、テストまで一人でやっていましたが当然できませんでした。
 あまりにがんばりすぎたためこのプロジェクトの後プログラミングが嫌いになってしまいました。

2 ビジネスとは、企業とはということを考えるようになった

 こんなに働いているのになぜ待遇が悪いのか理解できませんでした。プログラマー(SE)は言語やOS、データベースなどの技術的な知識はもちろん、それ以外にも業務を理解したりプロジェクト管理などの能力も求められます。そんなに勉強することがあるのになぜ単価が安いのか、それは結局顧客がお金を多く払ってくれないからです。つまりビジネスは顧客が価格を決定します。顧客にメリットがなければ仕事がいくら大変でもお金は支払われません。
 そんな当たり前なこともわかっていないエンジニアはたくさんいます。自分のやりたいことではなく自分にできることで顧客に貢献できることは何かと考えるのがビジネスです。このように考えるようになるとあまり技術にはのめりこまなくなってきました。

3 やっつけ仕事ばかりで繰り返し的な作業が多い

 ソフトウェア開発はツールや開発手法を改善することで劇的に効率アップできます。最近では当たり前になったコードを生成するツールもかなり手間を省くのに便利です。しかしそこら辺のソフト開発会社はそのような努力をしません。
 従って毎回スクラッチから作るため無駄な作業が毎回繰り返されます。こういうことをずっと続けているとモチベーションは下がっていきます。

4 ビジョンがない
 
 なぜこの仕事をしているのか、社会に対してどのように貢献しているのかを明確にしてビジネスをしている会社はそうそうありません。技術がおもしろいとかお金が儲かるということだけで意欲をもって仕事ができるのは3年くらいでしょう。そのあとはマンネリ化してモチベーションも下がります。自社の存在意義を明確に認識してミッションを定義することが重要になります。Microsoftのビジョンは世界中の人々がPCを使えるようにするということでした。(それが実現した今新たなビジョンが彼らには必要になっています。)

 職種の選択はまちがっていなかったと思いますが、会社は安易に決めてしまったと反省をしています。

 今プログラマーになったころの自分を取り戻すために自分でビジネスを始めようと努力しています。ここまでくるのに15年もかかってしまいましたが将来自分が引退するときに後悔しないためにもよく考えてこれからの人生を送っていきたいと思っています。

 あなたは後悔しない人生を送っていますか?