人生を変えた贈り物

4880861847人生を変えた贈り物 あなたを「決断の人」にする11のレッスン
アンソニー・ロビンズ 河本 隆行

成甲書房 2005-05-28
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またまた自己啓発系の本を買ってしまいました。結構売れているみたいです。

 この中で一番印象的だったのがカーレーサーの話です。レーサーは突然のスリップなどで車がコントロールできなくなったときの対処を訓練で練習します。衝突事故はドライバーが危険だと思う壁などばかりに注意がいってしまうからぶつかってしまうそうです。よく車の事故でわざわざ電柱にぶつかっていることがありますよね。これはドライバーが電柱ばかり見ているからそこにぶつかってしまうのです。
 トレーニングではぶつかりそうになったら自分がいくべき方向に注意を向けるようにするそうです。ドライバーは教官と一緒に車に乗って訓練しますが、スリップしたあと壁を見ているドライバーの顔を手でつかんで無理やり反対の方向に向けます。そうするとしだいに衝突を避けられるようになるとのことです。

 これは人生にも通じることで、不幸な出来事が起きると人はそのことばかりを気にやみます。例えば家族の誰かが死んだとか会社を首になったなどです。しかし不幸をいくら悲しがっていても何もいいことはありません。不幸な出来事は自分が変わるチャンスでもあります。会社をクビになったら新しい職場で働けるチャンスですし、失恋したらもっといい女と付き合えるチャンスなのです。

 これは不幸なことを無視するということではありません。不幸な状況をちゃんと直視した上で次に自分が向かうべき方向を見るということです。ビジョナリーカンパニーという本で印象的なことばがあったんですが、それは「現実を直視せよ。しかし希望は捨てるな」ということなんだと思います。

 あまり不幸に取り付かれているとやるべきことができなくなってしまいます。世の中にはもっと不幸な人はたくさんいます。その人たちよりも自分は幸せだと思えばそんなことで悩んでいる自分が情けなく思えます。

 自分が歳をとって仕事を引退したあと、文句ばかりいっている老人にはなりたくないですね。