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華氏911を遅ればせながら見ました。アメリカの政治家もろくでもないのが多いですね。特にブッシュは何の能力もないのに大統領になれたというのもやはり親の七光りのおかげなのでしょう。
この映画の監督は「社会は無知や貧しさがあるから成り立つ」といっていますが、悲しいかなそれは正しいと思います。
イラク戦争ではイラク、アメリカともに多くの人が亡くなっています。アメリカから送られる軍人は大多数が貧しい人たちです。軍隊に入れば学費や生活費が出るため失業率の高いアメリカでは軍隊くらいしか仕事のないところも多いようです。
イラクに派兵される人たちもこの戦争が正しいと思っているから(また任務だから)戦っています。しかしイラク戦争は本質的にはベトナム戦争と同じです。どちらの戦争も現地の国民が望んでいないからです。
映画の中でイラク戦争に派兵されたアメリカの兵士が「この国に平和と民主主義をもたらす」といっていましたが、イラクの人たちがアメリカにそんなことを頼んだのでしょうか?ビジネスの世界で欲しくもないものを売りつけられたら押し売りで客は怒ってしまいます。アメリカはベトナム戦争から何も学んでいないようです。
この映画を見ていると自分が受験していた頃を思い出しました。比較対象としてはレベルが低いのですが、イラクに戦いに行く兵士と受験生は似ています。何のためにするのかわからないのだけれどもやらなければいけないという状況が同じです。イラクは悪い国だから戦えと言われて兵士は命をかけて戦います。受験生はこれを勉強しろと言われて一生懸命勉強して試験にパスしようと努力します。しかしどちらもしばらくすると何のためにこんなことをやっているのかと思うようになります。
この社会では知っている人が無知な人を利用しています。利用されないためにも国民はもっと政治家に負けないくらい物事を知る必要があります。もし国民が賢かったらイラク戦争のような起こさなくてもいい戦争を止めることができます。アメリカがベトナム戦争から引き上げたのも普通の人たちがベトナム戦争の現状を知ったからです。
日本では憲法を改正して軍隊を持とうとしています。私はそれは当然なことだと思います。国家として軍事力を持つことは独立を保つために必要です。しかし軍隊をちゃんとコントロールする仕組みを作って、国民の意思の元に行動させるようにできなければ戦前の大日本帝国と同じになってしまいます。馬鹿な首相が政権をとっても止められるようにしなければいけません。
そのためにも国民はもっと賢くならなければいけないと思います。無知が戦争を起こす原因です。イラク戦争はそのことを教えてくれるいい例なのではないでしょうか。