フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで サイモン シン Simon Singh 青木 薫 新潮社 2000-01 売り上げランキング : 8086 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
積読解消プロジェクト続行中。
面白くて一気に読んでしまいました。
おかげで日曜日一日つぶれてしまった。
x^n + y^n = z^n でnが2より大きい自然数の場合、これを満たす自然数x,y,zは存在しない
(x^nはxのn乗という意味)
という定理です。
これを証明するために300年かかりました。
n=2の時はピタゴラスの定理で三角形の辺の長さを求める公式ですよね。
もともとはピタゴラスの時代から考えられていた問題でしたが、フェルマーという人は変わり者でプロの数学者に難しい問題を出して答えは教えないという意地悪を趣味にしていたそうです。
このフェルマーの最終定理も結論だけ述べて証明は提示されていませんでした。
しかしこの定理を証明するためにガロアの群論や楕円方程式など最新の理論を組み合わせることによって可能となりました。
フェルマーの定理を証明するには多くの数学者の努力が必要でした。
その中でも日本人が重要な役割を担っています。
谷山-志村予想と呼ばれる理論を発表しこの予想を証明することがフェルマーの定理を証明することと同じであることがわかりました。
日本人もがんばってたんですね。
数学というと役に立たないというイメージがありますが、最近は公開鍵暗号方式に素数の理論や楕円方程式が応用されていますし、金融ではオプションプライシングモデルに微分方程式や確率過程などの理論が使われています。
フェルマーの定理は証明されましたが、まだ未解決の問題がたくさんあります。
有名なもので4色問題というのがあります。
白地図などで区切られた領域を塗りつぶす場合隣り合った領域が必ず違う色に塗りつぶすためには何色必要かという問題です。
どうやら4色か5色らしいというのはわかっていますが、その証明ができていません。
これを証明するためにコンピューターが使用されて物議をよんでいます。
厳密さが要求される数学の世界でコンピューターを使うのは邪道なのでしょうね。
しかしこれは新しい学問の分野が誕生しようとしているのかもしれません。
現在のプログラム言語は数学的な厳密性に欠けていますが、最近人気があがってきた関数プログラミングで行えばできるかもしれません。
これからはプログラム自体の証明なんてものが必要になる時代になるかもしれません。
ひょっとしたらこれがバグをなくすための方法になるかもしれませんね。
あまりに面白すぎて一気に読んでしまったため目がおかしくなってしまいした。
たまには目を休ませてあげないといけないですね。
田舎に旅にでも出ようかな。