私も以前シリコンバレーで働きたくてアメリカに留学したことがあるのでこのエントリーに反応してしまいました。
アメリカの就労ビザが欲しければ留学せよ
http://www.chikawatanabe.com/blog/2010/03/visa.html
私は高卒の上、怠け者だったので挫折しましたが、普通の人にとってアメリカの大学を卒業するのは結構大変です。
私が挫折した理由はこんな感じです。
- お金がかかる
- 時間がかかる
州立大学でも年間$7000以上の授業料がかかりその上生活費がかかります。
(成績がよければ授業料は少なくなる制度はありましたが。)
またバイトもアメリカは安い上に学生が働くのに色々制限があります。
それに大学の勉強が大変なので働くのは現実的ではありません。
私の場合は高卒だったので卒業まで4年以上かかってしまいます。
大卒でも情報工学系でないと大学3年くらいからやり直しで最低でも2年はかかるでしょう。
その上英語のハンデがあるので英語クラスなど受けると3年くらいはかかるみたいです。
人生のうちで長い時間と莫大なお金を使ってアメリカで学位をとるというのはかなりリスクの高い行いです。
それだけやってもし卒業できなかったり、日本でできる仕事以下の仕事しかできなかったりしたらばかみたいですからね。
私の場合、プログラマーとして働いた後に留学したのでコンピューターサイエンスの初級クラスは知っていることばかりだったのでほとんど英語の勉強になってました。(笑)
アメリカまで来てなにやってるのかなと思いましたね。
そのほかアメリカの大学は高校ではあまり勉強しないため内容が高校レベルだったり、金儲け主義の英語クラスなどがっかりなことが結構ありました。
そんなこんなでお金もかかるし卒業までがんばって人生かける気がなかったので1年で帰ってきました。
アメリカは日本以上に学歴社会です。
なので専門の学位を持っていないと外国人がアメリカで職を得ることは難しいでしょう。
これはアメリカが多民族国家で人を判定する基準が学歴しかないからなのだと思います。
しかし、学歴があるから仕事ができるという論理に根拠はあるのでしょうか。
特にIT系は新しい技術が次々と出てくるので大学卒業時点でマスターした技術もすぐ陳腐化してしまいます。
もちろん基本となる知識は変わらないのでしょうが、大学卒である必然性はないかなと思います。
日本企業の人事部が考えているのと同じで確率の問題なのでしょうね。
アメリカって日本からみると進んでいるように見えますが、意外に保守的で一般市民レベルの生活は日本のほうがはるかによかったりします。
そのことを知ることができただけでもいい勉強になりましたけどね。
結局、私にとってはシリコンバレーで働きたい理由は面白くて待遇のいい仕事を得られるからでした。
でもこれからはインターネットがあればどこにいても面白い仕事はできるのではないかと思います。
私が始めてインターネットにふれたのは1990年で一般にはまったく知られていないころでした。
そのころアメリカの大学へ行く準備をしていたのですが、なぜかインターネットを使って「これでアメリカに行く必要がなくなった」とふと思いました。
今になってその直感は正しかったんだなと思います。
これからは住んでいる場所や学歴に関係なく好きな仕事ができるようになると思います。
37signalsのCEO Jason FriedはReWorkという本で学歴で人を選んではいけないと言っています。
なぜなら高卒や大学中退の人たちの中にも優秀な人はいるからです。
この会社はシカゴが拠点ですが、エンジニアはオランダ、デザイナーはカリフォルニアに住んでいます。
お互いネット上で一緒に仕事しているみたいですね。
これからレガシーな企業は場所や学歴にこだわっていると優秀な人を得る機会を損失していくでしょうね。
光ファイバーで世界中がインターネットで接続されて、あらゆる情報が自由に取得できるようになった現在ではシリコンバレーも大学も時代遅れになりつつあるのかもしれません。
そしてシリコンバレーに変わってインターネットが新しい働く場所になるのではないでしょうか。
(物理的な空間がないのでもはや場所という言い方は正しくないのかもしれませんが。)
歴史上イノベーションを起こした場所には多様な人々が集まっていました。
今最も多様な人々が集まっている場所はインターネットでしょう。
そんなインターネットでどんなイノベーションが起こってくるのかこれからとても楽しみですね。
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