遅ればせながらCNetJapanの記事「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」をじっくり読んでみました。
ティムオライリーが発表した論文ですが、IT業界の変化を的確に分析していてこの業界に関わっている人は読んでおくべきでしょうね。
この中で以下の点が印象に残りました。
・ユーザー参加型システム
サービスの価値を上げるのはユーザーであり、そのための仕組みを考える必要があります。
ning.comは雛形アプリケーションをコピーしてユーザーが新しいアプリケーションを作成するためのサービスです。
またそこまで直接的ではなくてもAmazonの書評やGoogleのページランクはユーザーの作成したコンテンツを集計する仕組みを持っています。
これからはベンダーから押し付けるのではなくユーザーの声をどう拾い上げるかが成功の秘訣なのでしょうね。
・Web技術を基盤としたプラットフォーム非依存のサービス
今はWindows OS/Intelチップを持つPCがサービスを利用するための主なプラットフォームになっていますが、これからは様々なプラットフォームからサービスが使えるようになっていくでしょう。
i-modeやezWebのような携帯サービスはその始まりだと思います。
これからはゲーム機や家電、自動車など様々なプラットフォームからサービスを利用できるようになっていきます。
したがってこれから提供されるサービスもそのことを前提に作っていく必要があります。
・常にベータ版で短期間隔でアップデートする開発スタイル
現在のソフトウェア会社のような1年〜数年間隔で製品リリースを行いアップグレードするという方法はネットワーク上で提供するサービスビジネスでは遅すぎます。
最低限の機能を実装したらベータとして公開し短期の間隔で修正していくという開発スタイルが主流になるでしょう。
・ロングテール
かつてのインターネット企業は大企業を主な顧客としてビジネスを行っていました。
しかし、Googleやebayは中小企業をターゲットにビジネスをして成功しています。
これによってロングテールとよばれる少数顧客が全顧客の大きな割合を占めていることが理解されるようになりました。
これらのことが可能となったのもハードウェア・ソフトウェアの価格低下やインターネットの普及、Web技術の進展など様々な条件がそろってきたから可能となったのでしょうね。
ドラッカーは「イノベーションと起業家精神」という本でハイテクビジネスは難しいと語っていました。
なぜならハイテク製品でビジネスを行う場合は色んな条件がそろわないと成功しないからです。
Web 2.0が可能になったのもいろんな条件がそろったからできるようになりました。
確かにハイテクビジネスは難しいですが、成功したときのインパクトも大きいと思います。
自分的には好きだからやってるだけで単なる金儲けだったらこんな面倒くさいことやりたくないですね。