個人の時代

IT業界は他の業界に比べると転職率が高いと言われています。
比較的新しい業界だからなのかもしれませんが、スキルアップのために会社を利用している人も多く見受けられます。
向上心があるのはいいのですが、自分さえよければいいといった感じの振る舞いをする人が最近増えてきたような気がします。


 例えば、会社に損害を与えているのに自分の実績にするためにプロジェクトを続行したり、自分のミスでプロジェクトが火をふいてしまって後始末に他の人たちを巻き込むといったことがいかに多いことか。
会社への帰属意識が薄くなってしまっていることが原因なのでしょうが、人としての倫理観までも下がってしまっている感じがします。


 昔のような滅私奉公的な会社も考えものですが、自分のことばかりではなくもう少し全体のことを考えて行動することがこれから必要なのではないでしょうか。
経営者も利己主義的風潮を意識して経営する必要があるでしょうね。
例えば社員それぞれのやりたいことやキャリアパスを考えてサポートするなどです。
それがいずれは会社を離れることになっても優秀な人たちに働いてもらうためには必要なことだと思います。


 これからの時代は間違いなく個人の時代です。
どれだけ優秀な人がいるかによって会社の競争力も決まってくるでしょう。
ここでいう優秀とは専門的なスキルだけではなく人間的にも優れていることです。
よく求められるスキルとしてコミュニケーション能力ということが言われますが、それはまさしく人間力とも言えるのではないでしょうか。
チームワークを重視しプロ意識をもって仕事をする人、個人の利益だけではなくステークホルダー全ての利益を考えて行動する人が優秀な人だと思います。


 時とともに人も変わります。
もう昔のような経営方法では成功は難しいでしょう。
経営者は時代にあった経営方法を考えて、働いている人たちが気持ちよく働ける環境を作っていく必要があるでしょうね。