ベンチャー株式市場の衰退

最近サブプライム問題や原油高騰などで経済が沈滞してきていますが、ベンチャー株式市場にもその影響がでているようです。


苦悩続くマザーズ ライブドア事件から2年以上 投資家に不信感 という記事では上場するベンチャー企業が少なくなってしまって取引が激減してしまいマザーズは非常に厳しい状態になっています。


ITバブルのころは上場して一攫千金を狙う企業がたくさんありました。
ただ日本の場合はアメリカのように企業の世代交代が起こったとはいいがたく、いまだに大企業によって日本の経済は支えられています。
そのためか優秀な人はベンチャー企業よりも大企業で働くことを選択しているのかもしれません。


また上場するメリットが企業にとってあまりなくなったことも原因かもしれません。
融資に頼らない資金調達として上場はいままでメリットがありましたが、J-SOXの導入や上場基準の厳格化など上場するための負担がかなり増えてしまいました。
それでなくても上場後は株主に毎年経営をチェックされるというタフな仕事をしなければいけません。
ITビジネスに関して言えば人件費以外のあらゆるもののコストが下がっているので小資本でもはじめることができるようになりました。
(人件費も海外へアウトソースするという方法で安くできるようになりました。)
アメリカでベンチャーキャピタルをやられている原 丈人さんも企業は内部留保でやっていくべきだといわれています。
また小額投資という方法でベンチャー企業を育てているポールグレアムも金融に頼らない起業を支援しています。


もちろんいまだに巨額の資金調達が必要なビジネスもあります。
ただこれからはいままでのような設立して間もない企業に巨額の投資をするということはだんだんなくなっていくような気がします。
特に日本ではその傾向が強くなっているのではないでしょうか。
マザーズやジャスダックはそんな時代にあった資金調達の機関として変わらなければいけない時にきているのかもしれませんね。

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