個人事業主を卒業するために

先週、色々ビジネスについて考えていて思いついたことを個人事業主のススメ?お金もうけになるビジネスという記事で書きました。
あれからまた色々考えたことをまとめておこうと思います。


個人事業主に関しては個人事業主のススメ?で肯定的に書きましたが、自分としては色々デメリットが多いポジションだと考えています。
個人事業主をすすめておいて否定的なことをいうとはなんだと思われるかもしれませんが、その理由としては以下のようなものがあります。


1 不安定である
 サラリーマンと違って毎回お客さんを開拓して仕事を取っていかないと収入がなくなってしまいます。
したがって常にではありませんが、定期的に仕事を探さなければいけません。


2 基本的に自分ひとりである
 仕事を依頼されても自分ひとりでやっているかぎり、やれることは限られてしまいます。
例えば、ウェブ開発ではプログラミングだけでなくウェブデザインやサーバー設計など様々な仕事をしなければいけません。
外部の会社に頼むという方法もありますが、その場合のコントロールもしなければいけない状況になります。


3 資金調達が限られる
 銀行は貸してくれないので政府系金融機関か信用組合の融資しかないでしょう。
融資額もそんなに大きな金額を借りることができないのでやれるビジネスが限られてしまいます。


もちろん一人でやっているのでそんなに大きくする必要はないと考えればそんなにデメリットではないですが、私はビジネスは発展しないとおもしろくないと思います。
ビジネスを本格的にやる前に個人事業主という働き方はいいと思いますが、その後はちゃんと会社組織にしてやることを前提にやったほうがいいと思っています。


MBAでよく教えていることで3Cというのがあります。
ビジネスを考えるときは顧客(Customer),会社(Company),競合(Competitor)について分析すべきという考え方です。
これらも重要ではあると思いますが、私はそれよりも先に考えるべきことがあるのではないかと思っています。


1 時代の流れ
 ビジネスは顧客の需要があってはじめてなりたつものです。
それは時代の流れとともに変わっていきます。
高度成長期の日本であれば車や家電製品などモノの需要はあったでしょうが、モノであふれている現代ではサービスに徐々に需要が移行しています。
また、地球環境が問題になってきているので環境に関連したビジネスの需要がこれから増えていくものと考えられます。
このようにこれから時代はどうなっていくのかを考えてやるビジネスを決める必要があるでしょう。


2 自分の熱意
 どんなビジネスでも熱意をもって取り組めるものでなければやっていくことは難しいでしょう。
例えば、外にでて人と会うことが好きな人は営業やマーケティングに向いているかもしれません。
まずは自分が何に向いていてどんなことにわくわくするかを知ることが重要だと思います。
しかし、意外に自分のことはわからないものです。
私も人と会う仕事は向いていないと思っていましたが、一度お店で販売する仕事をしたとき結構楽しかった経験があります。
食わず嫌いせずとりあえず体験してみるといいのではないでしょうか。


3 最低必要条件
 ビジネスは思いついてすぐできるものではありません。
やりたいビジネスが決まったらどのような準備が必要かリストアップします。
一番大きいのは資金調達でしょう。
どれくらいのお金をどのようにして集めるのか、通常は自己資金ではじめることが多いと思います。
なので最初はできるだけお金がかからないビジネスでお金の回収もできるだけはやくできるものがいいでしょうね。
 次は人の問題でしょうか。
まずは自分一人でやってビジネスがこれくらい大きくなってきたら何人入れるなどを考えておく必要があるでしょう。
ただ一人でビジネスを立ち上げるのは精神的に大変なので、非常勤でもいいからパートナーとなる人を一人見つけておいたほうがいいと思います。
 後、重要なのが、顧客を先に見つけておくことです。
例えば、あるサービスを開発してそれから営業をするとなるとお金が入ってくるまでかなりの期間無収入でしのがなければいけません。
潤沢に資金がある場合はいいですが、普通はそんなに余裕はないと思いますので売れるものができた時点ですぐにお金になるように手を打っておくべきです。
 他にもビジネスによって最低満たされなければいけない条件があるでしょうが、それを自分なりにリストアップして全てクリアしてからはじめたほうがいいと思います。


今の日本の起業数は史上最低で廃業数のほうが上回っている状況です。
起業した会社の約半数が3年後にはなくなっているというのもビジネスを成功させることがいかに難しいかを物語っています。
しかし、これからの時代リスクを取ってチャレンジしていかなければ、どんどんジリ貧になっていくと思います。
できるだけリスクを減らす努力をしつつリスクテイクしていくことこそこれからのビジネスで必要とされていることではないでしょうか。