ネットが教育を変える

今や日本はインターネットが普及し、YouTubeなどの動画サイトを自宅のパソコンで見られる時代になりました。
(最近では携帯でも見られるようになってきました。)
しかし、日本の教育ではあまり活用されていないと思います。
問題は技術ではなくいまだに高度成長期の社会構造を前提とした学校の古い体質のせいではないかと思います。


一方、アメリカではすでにインターネットのみで学位のとれる大学も多く存在していて、大学のシステムが大きく変わろうとしています。
まず、アメリカの多くの大学が講義内容や教材を無料で公開しています。
一番有名なのはMITのOpen CourseWareです。
現在1900コースが公開されていて、内容は膨大な量になっています。
また、講義の様子を動画で公開している大学も多くAcademic EarthYouTube Eduで見ることができます。
こういったコンテンツが無料で公開されることにより、世界中のインターネットにアクセスできる人であれば誰でも有名なアメリカの大学で教えている知識を得ることができるようになりました。


しかし、教材や講義のビデオだけでは教育はできません。
そこでソーシャルネットワーキングを使って先生が生徒を指導するというサービスを提供する教育機関が出てきました。
P2P Universityはネット上で大学のチューター制のようなことをやっています。
具体的にはソーシャルネットワーキングを使って学習コミュニティを作り、お互いに教えあう場を提供しています。
いまはやりの勉強会や読書会に近い形態ですね。
まだ、試用フェーズのようですがいずれは学位が取得できる大学をめざしているようです。


しかし、これからは学位はあまり重要でなくなるかもしれません。
多くの人が大学に行くのはいい職を求めているからです。
いままでは大学に行けば学歴にこだわる企業に入りやすくなりますし、コネクションも作ることができるので求職者にメリットがありました。
しかし、FacebookのようなSNSが普及してくれば、ネット上でコネクションを作ることが可能になります。
(日本のMixiはそのようなコネクションを作るのは弱い感じがします。)
雇う企業もSNSでいろんな人と交流できるようになるので本当に優秀な人材を見つけやすくなるでしょうし、職を求める人も企業のトップと直接やりとりできるようになるでしょう。
そうなれば学歴で人を判断する必要がなくなっていくと思います。


動画サイトや電子ブック、スマートフォンなどによりいままで一部の人しかアクセスできなかった情報を誰でも簡単に見ることができるようになりました。
かつて大学は見込みのある人材を入試というフィルターで選別し、エリートを育てるという役割を持っていました。
しかし、いまや大学で教えている内容は誰でも学べるようになり、エリート階級がなくなりつつあります。
(最高学府を出ても成果を出せないばかな政治家を見ると大したことはないなと思ってしまいます。)


去年の金融危機が起こってからアメリカはかなり弱ってしまいました。
ドルの価値は下がり、アメリカ国内の失業率も10%近くまであがり景気回復がいつになるかわからない状況です。
しかし、様々なイノベーションはアメリカで着実に進んでいます。
そのイノベーションの中でも、この教育システムの革命はいずれ世界に広がっていくでしょう。
日本へは10年くらいたたないとこないかもしれませんが。