起業するということ

 今起業ブームらしいですが、私の経験から言うと軽々しく起業するのは危険です。起業するリスクを考えた上で実行すべきだと思います。

 起業するということは本人に何ができるのかをシビアに問われます。もちろんそれはお客さんから問われるわけですが、もし仲間と一緒に始めるのであれば最初はその仲間から問われることになります。

 もし仲間の中で仕事のできない人がいたら、他のメンバーは一緒をしたくないと思うでしょう。また仕事がそこそこできても利益に結びつかないことに多くの時間を費やしていると仕事ができないと他のメンバーから見られます。小さい会社では個人の貢献度が厳しく評価されます。

 起業する前に冷静に考えましょう。自分は利益に貢献できる能力があるのかと。サラリーマンとして働いているとそこまで厳しく見られることはないでしょう。よく今の仕事に満足できないから独立したいと言う人はいますが、では独立してやっていけるのか、独立するということは他者に依存できない環境に自分を置くということを認識しないといけません。

 まずは会社を起こす前にフリーでやってみるのがいいかもしれません。自分ひとりだけでやっていけるのか試してみるのも一つの手段でしょう。それでできないようであれば複数人でやるのは厳しいと思います。

 会社を仲間などと作った場合は組織図を作ってそれぞれの責任範囲を明確にすべきとよく言われます。そうすることによりそれぞれ当事者意識が出てきて仕事がしやすくなるということなんだと思います。私も経験がありますが、責任範囲をあいまいにしているとトラブルの元です。責任を押し付けあって協力しなくなります。人は自分のやるべきことを明確に認識していないと人がやってくれると思いがちです。

 率直に言ってサラリーマンがちゃんとできない人に会社経営は無理だと思います。なぜなら会社経営はサラリーマンより厳しいからです。もし起業したいなら会社経営について勉強しましょう。何が大変なのかがそれでわかってくると思います。

 私は知識としても勉強していますが、体験から学んだことのほうが多いですね。自分が関わった会社の経営者はほとんどが反面教師だったのですが、こういうことをするとこんな被害が発生するのかということを身をもって体験しました。だから知識として勉強してもすっと頭に入ってくるのだと思います。

 正直経営なんてしんどいし割に合わないことも多いから、できれば他の人にやってもらいたいと思うこともありますが、そんなことを言っているとやりたい仕事は一生できないでしょう。途中でいやになってしまうかもしれないけどとにかくはじめてみようと思ってやっています。そこからまた新たな展開が出てくるのではないかという希望的観測を持つしかないかなと思っています。

 しかし私の周りには参考にできる経営者はいませんね。彼らを見ているとかつての日本軍を思い出してしまいます。勝つための戦略が全くなくて、現場の人たちを酷使してカバーしているという感じです。無理な作戦を立てて兵士に玉砕を強制する馬鹿な司令官には早々に退場してもらうべきだと思います。

 私たちは戦前の人たちの教訓を生かしてよりよい社会にしたいですよね。

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