人に任せる

 今日は会社の創立記念日でお休みでした。すっかり忘れていてオフィスに電気がついていないのを見てはじめて思い出しました。暑さでぼけてましたね。

 人を使う立場になると最初に超えなければいけない壁は仕事を手放すことができるかということだと思います。もし信頼する部下がいる人であれば信頼して任せることができると思いますが、残念ながらできる人はそんなにはいません。信頼できる部下がいない場合仕事を全て自分でやるしかなくなりますが、そうすると自分が本来やるべきことが雑務でできなくなってしまいます。
 また不思議なことに一人の人に責任が集中すると他の人たちが無責任になっていきます。自分がやらなくてもなんとかなってしまうから誰も真剣にやらなくなるのかもしれません。

 最適な人材を得ることが重要ですが、現実問題として日々の業務はまわさなければいけません。そんなときはやはり人にある程度任せていかないと仕方がないと思います。しかし以下のようなポイントを抑えれば任せることもできるのではないでしょうか?

1 仕事内容、役割を明確にする
 その人に何をやってほしいのか、担って欲しい役割は何なのかを理解させます。そのとき本人に考慮する余地がないくらい明確に指示する必要があります。例えば経理業務をお願いしたい場合売掛金管理で月末未収のものを洗い出して営業に伝えるなど作業を明確にします。そしてあなたの役割は回収できていないお金の管理であるということを理解させる必要があります。よく自分は何をやっていいのかわからないという人がいます。優秀な人であれば自分で考えてやってくれますが、凡庸な人はそこまではできません。そんな人でもできるように段取りしてあげる必要があります。

2 チェックする仕組みをくみこむ
 仕事を任せっぱなしにするのではなく必ず報告をさせるようにします。例えば先ほどの売掛金管理だと毎月の未回収金のリストと営業に報告したことをレポートにして提出させます。これは仕事をやっているかどうかの確認もありますが、自分の意図したようにやっていない場合すぐ修正させるためのセイフティガードです。

3 ミスをしても怒らない
 言ったとおりにやっていない場合、どうしても感情的になりがちです。しかしミスをするのは一生懸命やった結果なのでかえってほめてあげるくらいの方がいいのではないでしょうか。(悪意がある場合は別ですが。)そしてミスの原因を本人に考えさせて改善させるようにもっていきます。改善案はできるだけ本人に考えさせたほうがいいでしょう。なぜ失敗したのか、どうやったらうまくできるのか 考える癖をつけさせるとこちらが言わなくても自分で改善していくようになります。

4 甚大な被害が及ぶ恐れのあることは一人にはまかさない
 会社の存亡に関わったり、人の命がかかわることを一人の人間に任せるのは危険です。人はミスを犯すし、残念なことですが悪意を持つこともあります。これは2の「チェックするしくみを組み込む」と同じことですが誰かが必ずチェックできるようにすべきです。会社だとお金の出し入れや契約関係などがそれにあたるでしょう。

 もちろん人材選びが重要なのは言うまでもありませんが、組織が大きくなってくるといろんな人と一緒に働くことになります。その中には優秀ではない人もいるでしょう。そんな人たちとも一緒に働くためにも仕事を任せるというのは経営者のスキルととして重要なものだと思います。そしてこれが人を育てることにもつながると思います。

 多少部下のミスで被害が発生してもある程度引き受けるつもりで構えておいたほうがいいでしょう。顧客に謝りにいったり、ペナルティを払ったりするのはいやなものですが、部下に任せるための代償だと最初から考えておくしかないと思います。自分だって新人のころ色々ミスをしたことを思い出して、広い心で仕事を任せてみてはいかがでしょうか?

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