SNSは新しいネットワークアプリケーション

 正直言うとSNSがはやり出した当時(2004年)なんかうさんくさいものが出てきたなという印象しかありませんでした。
Mixiが始まったときも紹介でないと参加できないんじゃ使えないなという感じでした。
 しかしid:Tommy1さんに招待してもらって使ううちに今更ですが、これはかなり強力なツールではないかと思うようになりました。
SNSの目的は人的コネクションを広げることです.
 今までのIT技術はマシンを中心とした発想で提供されていました。
例えばGoogleはマシンがかき集めてきたデータをDBに入れて分類検索できるようにしたサービスです。
 しかしSNSではあちらの末端にいるのは人間です。
つまり人間を中心にシステムが作られていて,システムはその仲立ちをするだけです。
これこそ今までのIT技術に足らなかった要素なのではないかと思うようになりました。


 私が見たところSNSはまだ発展途上です。
2003年にアメリカで登場してからまだ4年くらいしか経っていないから当り前なんですが、
このツールはもっといろんな応用分野があると思います。


 例えばビジネスでの応用はこれからもっとひろまっていくでしょう.
顧客マーケティングや社内グループウェアとしての応用が考えられているようですが,ひょっとしたら今までの仕事の仕方が変わるきっかけになるかもしれません。
 それはSNSがいろんな人と知り合うきっかけを作ってくれるので一組織に所属していなくても個人または小さなチームで仕事をすることが簡単になる可能性があるからです。


 現在、多くの人が企業で働いるのはビジネスを行うために多くの資本を必要としたからです。
重化学工業や製造業は工場や機械を買う必要があるため個人では行うことができませんでした。
そこで法人にしてお金を借りてビジネスを行う形態になります。
 しかしいまやIT企業などの知識をベースとしたサービス業が多くなりました.
これらの企業の一番のコストは人件費です。
通信コストやハードウェアコストは劇的に下がってこれからも下がっていくでしょう.
(家のネットワークの方が会社より速いなんてことが結構ありますよね。)
このような状況だと自分でビジネスすることも可能なのになぜみんな会社勤めなのでしょうか。
その理由はコネクションです。
会社は多くの顧客と取り引きをしていて信用を確立しています。
日本の場合系列組織が多いから余計に新参者が入りにくい状況になっています。
おそらく個人や知られていない新しい企業だと取り引きはしてくれないでしょう.
しかしもし個人もしくは小さなチームでも簡単にコネクションが作れるようになったらどうなるでしょうか。
できる人達とチームを組んでまたは自分一人でもビジネス行うことも可能になると思います。
SNSが顧客開拓ツールとして使えるようになれば、そんなことが現実になるかもしれません。
そしてSNSはビジネスだけではなく趣味や研究開発、地域社会の交流など様々な用途に使うことができるでしょう。
これからもっといろんなタイプのSNSが出てくるでしょうね.


私はSNSを知って改めて技術は人のために作るべきなんだと思いました.
日々IT業界で働いていて機械中心の思考パターンになっていたことを改めて気づかされました.
システムを使うのは人です.
やはりその人に一番関心を持つべきなのでしょうね.

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