時代遅れな不動産ビジネス

今週の週刊ダイアモンドに「マンションの資産価値は住民主導でハードもソフトも格段に高まる」という記事がありました。
多くの都市のマンションが現在老朽化が進んでいて、住民の高齢化もあいまって住環境として危機に瀕しているところが多くなっているようです。
そんな中でいくつかのマンションではマンションの資産価値を上げるために住民たちがコミュニティを作ったり建物の改修をしたりしています。


 私も最近不動産に関わることが多くなっていろいろ詳しくなってきたのですが、日本の不動産は時代にあわなくなっているところがいろいろあると感じました。
 例えば日本では建物は鉄筋コンクリートで47年、木造で20年で価値がゼロになります。
つまりマンションだけでなく日本では長年住んだ家は価値がなくなってしまいます。
これは減価償却という考え方で建物は年々価値がさがるものとされているからです。
たとえオーナーがお金をかけて改修しても家の価値があがることはありません。
これでは家を改修して価値をあげようとは思わないでしょう。
一方アメリカでは家に手を入れたら買ったときより価値が上がることがあります。
 だからアメリカの中古住宅は活況なようです。
これからは日本ももっと住宅に付加価値をつけるモチベーションを起こすような体制にしていくべきだと思います。
日本もアメリカのように中古物件の方が多くなっていく時代ですからね。
 アメリカって不思議な国で使い捨て社会のように見えて中古のものの価値が下がらないんですよね。
中古車も結構高くて10万マイル以上走った車でも結構中古車で売ってます。
日本だったら確実に廃車ですよね。


 また日本の不動産でおかしいのは借家人の権利があまりにも強いことです。
戦後のみんなが貧しい時代には家を追い出されると困ったのでしょうが、いまやホテルやウィークリーマンションなどもあってとりあえず雨風はしのげます。
(もちろんお金は必要ですが。)
日本だと家賃を払っていなくても2ヶ月は居座ることができます。
しかし、アメリカは州によっても違うのですが、1週間から2週間で退去させることができるようです。
このように昔の時代を前提にした法律では海外の投資家は日本の不動産に投資しないでしょう。
海外の不動産の方がリスクが少ないですから当たり前だと思います。
こういったことが結局は日本の消費者の利益を損なっています。


このように日本の不動産ビジネスは完全に時代遅れです。
しかし、このようないびつな状況こそチャンスがあると思います。
減損会計をきっかけに社宅や遊休地など企業が保有していた不動産が放出されています。
(東京でも六本木や川崎、汐留なんかそうですよね。)
これからは不動産を有効活用しないとやっていけない時代になっていくでしょう。
そうなるともっと不動産への投資が促進されていくと思います。
その結果質のいい物件が安価に提供されるようになり消費者への利益へと結びついていくのではないでしょうか。


 政府など当てにせず民間が自分の力でどんどんやっていっている状況をみて日本の不動産も変わりつつあるのかなと思います。
また不動産に投資する人も増えてくるかもしれません。
そんなに大げさに考えないで、自分の家をリフォームして価値をあげて売却しよりグレードの高い住宅に移り住むというアメリカのようなライフスタイルが日本でも一般的になるといいですよね。