会社組織も進化すべき?

 私は日々起業するために努力を続けていますが、最近思うのは今までの企業のような組織体が通用しなくなるのではないかと感じるようになりました。
それは日本の大企業が今、ことごとくうまくいかなくなってきているからです。


 Sonyをはじめ大手電機メーカーはどこも不調で不二家やパロマのように倫理のない企業が信用不振に陥っています。
 また私が働いているIT業界もほとんど人材派遣業のような状態で、私が夢見ていた技術によるイノベーションなどどこにもありませんでした。
最近会社で資格を取れという偉いさんを見ていても自分が考えるビジネスとはおよそかけ離れた考え方なのだろうと思います。
資格になっているような仕事はすでにコモディティ化していて高い単価は稼げません
Cisco,Microsoft,Oracleなどの資格を多くのエンジニアに取らせて数で稼ごうという戦略なのかもしれませんが、競合が多い中になぜこれから入って行こうとするのか理解に苦しみます。


 経営者で孫子の兵法のファンは多いのですが、その戦略を企業経営に応用しようという経営書もよく見ます。
孫子の軍は農民出身の兵が多いのでできない人を基準に軍の運営を行ったそうです。
今の企業も見ていると孫子と同じように社員には期待していません。
そしてできない社員をなんとか平均レベルまで持って行くために研修やらOJTを行っています。
製造業や営業などルーティンワークが多くどちらかというと根性のほうが重要な分野ではこの方式は機能するでしょう。
しかし、これからは考えることを要求される仕事が主流になっていきます。
これはITやアウトソーシングが普及するにしたがって事務系の単純作業がだんだん自動化されていっているからです。
企業は常に効率を高めるために自分自身を最適化しています。
そうなっていくと考えて仕事をする人と何も考えないでする人のパフォーマンスは天と地ほどの差が出る可能性があります。


 例えばGoogleを考えてみてください。
彼らはAdWordという検索連動型広告を考えて(本当は別の人が考えたアイデアをパクったんですが)自分たちの検索サービスに組み込みました。
これだけのアイデアで普通の広告代理店の営業が逆立ちしてもとれないほどのクライアントと契約することができました。
このようなことは会社に多くの人がいてもできることではなく個人の発想や努力がなければできないことです。
Googleだけでなくシリコンバレーの企業はどこも個人の力が成功するために重要でした。


 このような例を見ていると、これからは少数のやる気のある有能な人たちの組織でビジネスをする形態に変わって行くような気がします。
例えば普通ビジネスをする場合は営業が必要です。
そのため企業は営業部に多くの人を雇って顧客企業をまわらせます。
しかし、インターネットを使ったマーケティングなら営業マンはほとんどいりません。
最近はアフィリエートもあって顧客が営業をしているケースもあります。
こうなると営業という職業がいらなくなってしまう可能性があります。
また総務部や経理部も組織が大きいから必要なのであって10人以下なら社長一人でできるでしょうし、最悪外部にアウトソースすればいいでしょう。
こう考えると今普通の企業で必要とされる部署が結構必要なくなってしまいます。


 大きい組織で働いていていつも思うのは非効率さと働いている人のモチベーションの低さです。
日本の企業が最近ことごとくだめになっているのはそんな組織の制度疲労が原因ではないかと思います。
そして、その中で働く人たちは人間関係を維持するのに疲れているように私には見えます。
日本の企業は製造業などの規模の大きさが優位になる産業に最適化されています。
下の者は何も考えないで上司のいうことを聞いていればよかったのですが、これからは個人に考えることが要求されます。
このパラダイムシフトによって個人だけでなく組織も変化しなければいけなくなります。
次々生み出されるGoogleの新しいサービスは上から命令されて作られたものではありません。
個人がこんなものがあったらいいなと思うことによって実現したものです。
これからは個人の頭脳がビジネスの成否を握っています。


こんなことを3連休に考えていてふとそんな未来の会社、というか働き方ってどうなるんだろうと思いました。
そんな妄想を明日書いてみたいと思います。