色々思ったこと



 最近少し環境が変わったせいか色々考えさせられる事が多くなりました。


その1 独創性


 会社を経営している社長さんが「独創的なビジネスを考えるために定期的にアイデアだしのミーティングをしたい。」と言われました。
その社長さんはとてもやる気があって会社を大きくして行きたいという野望に燃えています。
熱意はすばらしいと思うのですが、はたしてそれでビジネスに貢献する独創的な発想が出てくるか疑問に思いました。
 私の今までの経験から言わせてもらうとアイデアとは既存のアイデアの組み合わせでしかありません。
独創的なアイデアなどそうそうでてくるものではありません。
アイデアを出すというアウトプットばかり気にするのではなく何をインプットするか、つまり元ネタとなる情報を日々収集して考えるという活動が不可欠だと思います。
後、アイデアって難しい問題に直面したときに出てくる事も多いですね。


その2 Small is better


 いつも読んでいるBlogの記事が心に残りました。


恐竜の時代から昆虫の時代へ、超小粒企業の時代がやってくる!?
http://satoshi.blogs.com/life/2007/09/post.html


 製造業や流通業など規模が競争力の源泉のような産業では会社の大きさが重要だったのでしょうが、IT産業などの新しい産業では生産効率や他と違うことが競争力となっていると思います。
しかし、人々の考え方はそう簡単には変わらなくていまだに大企業の方がいいと思っているのでしょうね。


 いまやITのコストは劇的に下がって企業がお金を集めてはじめなくても個人でもはじめようと思えばできる時代になりました。
アメリカでは個人または小さいグループが立ち上げたウェブのサービスが毎日たくさん出てきています。(日本は少ないですね。)
これからはやる気のある優秀な人たちが自分たちで色んなビジネスを立ち上げていくようになるでしょう。
組織に頼らなくてもいいという自由度はそういった人たちにとってすばらしいことだと思います。


 少し前のNatureという雑誌になぜヨーロッパの文明が世界を制覇し、中国などのアジアが植民地になったのかについての論文を読んだ事があります。
それは地理的な形状が重要な要因ではないかと書いていました。
ヨーロッパは起伏に富んだ地理的形状をしているため小さい国がいっぱいありました。
しかし、中国は広い平原なので一つの帝国が支配するのに向いているとのことでした。
なので中国などで新しいことを考えてもその国の王に取り入れられなければ生きて行く事ができませんでした。
それに比べヨーロッパでは国がいっぱいあるのである国でだめでも別の国にいけばサポートしてくれたりします。
レオナルドダビンチなんていろんな国に行ってますしね。


 何がいいたいかというと、現在の日本もかつての中国のように一つの価値観に縛られがちです。
なので企業の中での活動の自由度はそんなにないと思います。
しかし組織単位が小さくなって活動エリアが広がる事になれば、昔のヨーロッパで小さい国が群雄割拠していた頃のように多様な活動が許容される環境になるのではないでしょうか。
そんな時代になればいいなと思います。


その3 金勘定ができない


 サラリーマンをやっていた人が会社を起こして失敗する一番の原因は金勘定ができていないことではないでしょうか。
毎月の固定費はいくらかかっているのか、案件ごとの採算はとれているのか、毎月のいつに支払いがどのくらいあってキャッシュショートしないように管理しているかなど会社経営でお金の管理は一番重要な仕事です。
しかし、そのような作業は地味でつまらない仕事なので後回しにする経営者がとても多いです。
特にエンジニアなど手に職を持っている人は仕事に熱中してお金の管理をないがしろにしている人を多く見ます。


 いつもお世話になっている税理士さんとよく話すのですが、経営者も免許制にしてはどうかといつも言っています。
平気で資金繰りでサラ金にお金を借りるような経営者は社長として失格だと思いますが、結構いるんですよね。
やはり経営者として最低限知っておくべき事は勉強すべきでしょう。


 日本では最初から起業家という人は少ないと思うのでどうしてもサラリーマン的感覚が抜けないのかもしれません。
そういう部分はシリコンバレーみたいな場所に比べると遅れているのでしょうね。
Small is betterな時代になりつつあるけど多くの日本人にはその準備ができていないように思います。
個人的印象なのでたまたま私のまわりにそう言う人が多いだけかもしれませんが。