Google Wave

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先月Googleが発表したGoogle Waveというメッセージングシステムのビデオを見ました。
Google Wave http://wave.google.com/


それを見て思ったのがやっとこういうものが出てきたという印象でした。
Waveの開発者も言っていましたが電子メールは40年前に発明されて以来基本的にはなにも変わっていません。
そして今や電子メールは時代遅れの技術となってしまいました。
電子メールは受け取るメールの大半がスパムメールだし、送信者を確認するしくみがなく、内容を保護する機能もない、複数ユーザーで情報交換できる設計になっていません。
ただ単に誰でも受け取れるからまだ使われているにすぎません。


新しいメッセージングシステムはやはりGoogleが出してきたかという感じです。
実は私はこれと同じようなメッセージングシステムをだいぶ昔にプロトタイプで作ったことがあります。
私もユーザーとしてメールにかなり不満がありました。
間違った人に送ったメールをキャンセルできたり、外国語のメールを翻訳してくれたりする機能があればいいなと思って簡単なものでしたが作ったことがあります。
それを何人かの人に見せたのですが、理解されませんでしたね。
そんなもの作っても売れないとか普及させるのが難しいなど散々言われました。
これだから日本のITは二流なんだろうなと思いました。


Google Waveは私が考えていたものより先を行っていると思います。
これをオープンソースで出したのは正しい判断だと思います。
私も自分のメッセージングシステムを作っている時にオープンソースで出さないと普及しないだろうなと思いました。
だからこの手のソフトウェアを開発できるのはGoogleしかないでしょうね。
Microsoftには絶対できない芸当です。


Google Waveの優れた点はこんな感じでしょうか。


・入力文字がリアルタイムで表示される
インスタントメッセンジャーのように文字をタイプするとリアルタイムに相手に表示されます。
ここまでいるのかとお思いでしょうが、サーバー拡張機能と合わせて使うといろんなことができます。
・複数ユーザーでのコラボレーション機能
フォーラムみたいに複数ユーザーでのディスカッションやWikiのように同じドキュメントを複数のユーザーで編集することができます。
こんなことはメールでは絶対できないですよね。
・robotと呼ばれるサーバープラグイン拡張機能
サーバーは拡張モジュールを追加することができます。
デモでは相手がタイプしたフランス語を英語にリアルタイムで翻訳していました。
Google Web Toolkitによるクライアントウィジェット
Google Waveのクライアントはウェブブラウザなのですが、Google Web Toolkitでクライアントの機能を拡張することができます。
OpenSocialなどと同じ記法なのでそのあたり慣れている人はすぐに作れそうです。
・他ウェブサービスとの連携
BlogやSNSサイトとの連携も簡単にできます。
デモではWaveで送ったメッセージをTwitterにも出すというのを見せていました。

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後、Google Wave上で対戦ゲームをやったり、文章のスペルチェックをしたりするデモもやっていました。
これはもうウェブアプリケーションフレームワークと言っていいのかもしれません。
リファレンス実装のソースコードがリリースされたら色々遊んでみたいと思っています。


しかし、日本からはこういうタイプのプロダクトが出てきませんね。
お金をいっぱい持ってる日本の大企業は何をしているんでしょうか。