ゴールデンウィークも終わりましたね。
私は個人事業主でどこから休みでどこから仕事か分からないのですが、お客さんや業者さんがお休みなので世間は休みなんだろうなって感じです。
サラリーマンの方は切り替えが大変でしょうね。
「大資本か独立・起業か」というブログ記事を読んで色々考えたことを書いてみたいと思います。
このかたは大企業のサラリーマンの方のようで、おそらくエリートの方でしょうから私とは環境的には対極にある方です。
しかし、その方の考え方が私とほぼ同じだというのが驚きでした。
大企業のサラリーマンの方も危機感を感じているのでしょうね。
記事内容はとても論理的でなぜ大企業が危ないかを主張されていますが、私が思うに独立するという行為は意外と感情的なところで決まるんじゃないかなと思います。
私は独立して10年ですが、何回か正社員にならないかという話はいただきました。
しかし、その会社のマネージャーが生理的に受け付けないとか同僚で変なやつがいるなどの理由でいままで一人でやってきました。
アメリカのベンチャー企業を起こした人もなぜ独立したかと聞くと自分のボスがくそったれだったからというのが本音では多いようです。
なので、人は意外と合理的には判断しないことも多く、起業という一生を左右するような決定も感情的な部分で意思決定することが多いのでしょう。
あと、いままで大企業は資本力と情報収集力、人材調達力で勝っていたがそれが強みにならなくなってきたのも独立を考えるきっかけになっているのかもしれません。
まず資本力ですが、日本で資金調達するためには自己資本でやるか銀行から借り入れるかしかありませんでした。
個人では貯金の額も対したことはないでしょうし、銀行もいつつぶれるか分からない会社にはお金は貸してくれません。
しかし、製造業からサービス業への産業シフトによって多くの資金がなくてもはじめられるビジネスが増えてきました。
私がやっているITウェブ系システムの開発はPCとネットがあれば後は自分の食べる分をなんとかすればやっていけます。
それに私の業種はお金よりもノウハウや人間関係のほうが大事ですね。
また情報収集力は、いままで大企業はどこよりも早く有益な情報を取得しビジネスに生かすことができました。
しかし、いまや個人でも大企業並みの情報収集ができるようになってきました。
例えば個人投資家がネット上で使っている取引システムもかつては証券会社の社員しか使えないものでした。
また商品価格なども今はネットで情報収集することによって業者がどれだけ利益を獲得しているかおおよそ予測することができるようになりました。
これからこのような情報の透明化はもっと進むでしょう。
そうなると情報を隠蔽して利ざやを稼いでいた企業は淘汰されてしまいます。
そして情報収集能力もいまや組織の大きさには関係なくなりつつあります。
そして人材調達力では日本ではいまだに多くの優秀な人たちは大企業をめざします。
それは、安定性や待遇などもあると思いますが、優秀な人と働きたいというのも大きいのだと思います。
しかし、産業がモジュール化されてアウトソースが進んで行くと小規模な企業が緩やかに連携して必要な能力を持つ人に必要なときに仕事が依頼できるようになりました。
例えばアメリカのIT産業はPCのモジュール構造のような産業構造になっていて、ネットワーク機器はCisco,サーバーはIBM,HP,OSはマイクロソフトといった感じの専業ベンダーが多く出てきました。
なので、それぞれの企業は自分の強い部分だけに特化すればよくなります。
つまり、今までは企業内で分業化が進んでいたのが今度は企業間で分業が進んでいくことになります。
これはIT技術によって情報伝達コストが劇的に下がったのとインターフェースやプロトコルなどが標準化されてきたため擦り合わせする部分が少なくなってきたから可能になったのでしょう。
そして、いまやアメリカの一番優秀な学生はベンチャー起業をめざすようになりました。
IT業界ではGoogleやTwitter,Facebookなどがそのような人たちが起こした企業ですよね。
さらにコモディティ化した産業は中国やインドの企業にアウトソースされるようになりました。
これに比べて日本の大企業は年功序列、終身雇用のもと、いまだに自前で人材をそろえようとしますが、この変化の激しい時代には時代遅れなやり方ですね。
かつて地球をのし歩いていた恐竜は絶滅してしまいました。
それは地球の環境変化に対応できなかったからです。
それと同じように世界の産業構造も今、大きく変わろうとしています。
しかし、この時代の流れに日本は逆らっているように見えます。
政府の財政赤字は巨額になり、企業では社内失業状態の社員を多く抱えるようになっています。
このように多くの日本人はいまや政府や企業に依存しないと生きていけなくなりました。
しかし、こんなことが永久に続けられる訳がありません。
これから日本人がサバイバルするためには今までの贅沢な生活を見直して新しい産業を起こしていかないと未来はないのではないでしょうか。