鏡の法則

鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール
野口 嘉則

総合法令出版 2006-05-10
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時間つぶしにコンビニで売っていた小さな本をなにげなく買って読んでみたのですが、不覚にも泣いてしまいました。

「鏡の法則」とは自分の身の回りで起こったことは自分の心が原因で起こる、つまり現実は心の鏡だということです。
この話では自分の息子がいじめられて悩んでいる主婦が主人公になっています。
そして、矢口という経営コンサルタントのアドバイスを受けて主人公がいろんなことに気づくストーリーです。


話的には少し宗教がかった脚色がなされているのかもしれませんが、学ぶべきところは結構あります。
例えば主人公は自分の父親を嫌っていましたが、こういう心理状態は他の人との関係でも影響するようです。
確かに私のまわりの人を見ていても、親とうまくいっていない人は他の対人関係で色々問題を抱えていました。
そのため仕事でもプライベートでも成功しているとは言いがたい状況のようです。
親子関係の不和は夫婦関係や友人関係などに悪い影響を与えるのでしょうね。


私がこの本で一番重要だと思ったのは許しです。
キリスト教でも憎い相手を許しなさいという教えが確かあったと思いますが、許すというのは相手のためでなく自分のために行う行為だったのです。
人を憎んでいるとどうしても気持ちに力が入ってリラックスできません。
そんな人には人はよってこないでしょう。
おそらく人を憎むようになったのはそれなりの理由があるのでしょうが、そのことによって自分が不利益を被るのは不幸です。
そんな呪縛から逃れるためにも相手を許すべきだとこの本は教えてくれます。
それは相手を見逃すためではなく、相手の未熟さや欠陥を許容してあげるという考え方です。
人は欠点だらけですからね。


私は人ではないですが、許せないことはいくつかありました。
しかし、世の中は欠陥だらけなのだからそういうこともあると考えるようになりました。
この本を読んだ日にTVでキッシンジャー元国務長官の言葉も心に残りました。


「理想だけを追いかける政治はだめな政治だ。
よい政治は現実を直視し、できるだけ理想に近づけるための芸術である。」


世の中欠陥だらけだけどできるだけ理想に近づけることが一番大事なんですね。